日本人の幸福度

警察官をしている男友達は疲れていた。
最近よく自殺の現場に出会すらしく、滅入ってるようにも見えた。

そんな彼と飲みながら話していると、彼はこう言った。
「日本人の幸福度って低過ぎるよね」
「大豪邸で、行ったら首吊ってるわけよ、お金って何なんだろう、意味がわからない」

私はこの辺からカウンセラーモードにスイッチして、話を聴いてるのではなく、「そのことを話す彼」を診始めた。(心理士の悪い癖である。)

正直日本人の幸福度が低いかどうかなんてどうでもいい、入手ソースどこ?と思うし、誰がいつどのくらいの人を対象にどのような方法で行った統計なのかもわからなければ、回答は主観でしかなければ、データの採取方法によっては「私は幸せだ」と言い難い風潮が日本にはありそのバイアスは取り除いたのかどうかもわからない。どうでもいいし、私は私の周りが幸せであればほかはどうでもいい。

ただ、彼がそのとき「幸福度が低い」ことについて話すということは、彼自身の幸福度を低く見積もっていることに違いはないと思った。

私はいつものギャンブルで、、まぁ友達相手だし、彼からカウンセラーとしてお金もらってるわけでもないので一言「…自信と自尊心が低いねぇ」と言葉の矢を放った。

刺さってしまったのだろう、彼はタバコを吸うついでにグラスを持ってカウンターに行った。その少し前まで「朝まで飲もう」と言っていた元気はなくなってしまった。

ちょっとやっちまった、と反省している。。

しかし

それは彼の問題であって、私はクリアな鏡になったに過ぎない。

例えば私の恋人のように、自分がどのような姿として私に映ったところで、全て等身大の自分として受け入れる根性のあるやつは、私のそばにずっといても大丈夫なんだろう(笑)しかし男友達君は違った。単純に信頼関係がまだ足りなかっただけかもしれないし、私と恋人の間にあるような特別な関係性はない。

ただいまは、彼が全ての経験を糧に、昇華することを祈ることだけしか私にはできない。

それだけだ。

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