Intermission(ほんじつはおやすみ)~せんたっきの快~

うちで一番働き者は、例えば夏冬ならば空調機器だし、春秋ならば外帚、台風時期にはもちとはぜの防風林ーそうして通年でならば洗濯機だろう、うちでの過酷で遠慮のない使い方に耐えてここまでもう長いーだからこの数年間は水を注ぎ始めた後には、ザアザアいう水音を頭のすみに追いやる位に、「そろそろ引退させてあげなければならないのにね」と毎度申し訳なく思っているのだが、ふと、気がつくことには随分ともとの位置からずれているー右肩がにじって前に出て、全体がはすに構えた感じでーなるほど植物は成長しながら動く『動物』だし、せんたっきは働きながら遠心力の芯をずらして振動を生み動く『動物』だったんだなー見れば内蔵の水平器の空気がピタリとど真ん中におちついている、自分で自分にいいようになったんだ、なんだかすごいー引退なんて、と言われてる気がしている、ひんやりした風呂場で。