Intermission(ほんじつはおやすみ)~だんしん!~

お昼休み、春の陽射しを求めてお昼のパンを片手に掴み、外に出てはみたけれど、午前中いっぱい雲は空を塞いでいたし、いまも陽ざしはその扉の前でまごまご…木々も土も芝生も、石づくりの歩道も桟橋も、海からの風を張る風にできる程温もってもいない。しようもなし。人は風よけと暖を求めてうろうろと歩き始める……そうすると案外と他の人たちが春の軽装で吹きさらしの中ピクニックの昼食を楽しんでいたりすることに気が付く。そう、ホントはワタシが寒いのは心配事のせい…じっとすわっていられないのは、そのせい…一回りして再び小さな埠頭に出る頃、並んで座って居れば話すこと尽きないのだろう二人の背中をみて一つ、掃除で集められた枯葉の山に歓喜してふりまいている子にもう一つ…ぬくもりを集めて、まひるの、誰が見ても構わない、誰も観なくても構わない、ただ嬉しくて躍っているふたりの聴き取れないおしゃべりにひびく愉快を、と笑い声のころがっていく縁に居て、敢えて格好よく踊らないステップはうでのくねくねが、道行く誰か、眺める人とであうたびに火花のように笑顔がこぼれる気配を一つ 二つ、と数えながら思い切り、肺に新しい空気を入れてみる。