Intermission(ほんじつはおやすみ)~三音~

休暇の時期になると、ワタシの普段の通勤路は帰省した人たちの故郷の道になり、どこにちこくする心配もない人々のゆったりに、時間に押されて前のめりのワタシが、いつの間にか追い付いてしまいそうになるーーあの、異なる二つの雰囲気のー穏やかな休日への意気込みと、ひたすら到着の合理性を求める意気込みの異質さのすれ違い様のきしみー軽いささくれをおこすかあるいは勝手に人を背景の一部として解釈してそれを避けー気がつかず傷つかないのがひどく粗雑な上手としてこだまするの後で聴くことになるのがつねのこと、でも、今日は、ワタシには少しの時間があったー年配の母子と思えるふたり、とわかるだけの時間が、手だてを考えるための時間が、道の出口までワタシが追いつかないように、観光客のふりをして携帯を構え明後日の方向を見ながらしばし佇むだけな充分な時間がーすると深呼吸が景色になってそこにいることに気がつく、コマを動かすために必要なのは空いたところだ、曇天のバリエーションに尽きるところはない。