Intermission(ほんじつはおやすみ)~根の日々~

あの日も間にあったのはシュラグしてるようなこの緑で、その向こうの笑顔と立ち話をしたのだった
ー…ジンジャーでしょうか
ーしょうがの仲間らしいですね
一本ひょろりと伸びた茎が差し出す左右の葉は風に翻ると白く、成長はしていてもまだおずおずと辺りの様子を確認しているようで
こどもの背丈ほどでいる
ーよく知らないんですけどきれいなはながさくからって分けてくれて
ーいい香りもしますし、たのしみですね
お友達からの到来物だというその球根は充分に幸運ー真ん中の花壇にではないけれど、根を下ろす地面にとどいたのだから…それでも冬がある、夏があると、「半世紀ぶりの大雪」に焼かれ、「百年に一度の台風」の風には打ちたおされ、その身をもって知っているのは誰かーちゃいろに萎れて背が縮んだいつか、景色のなかでそれすら消えていたいたつかを記憶しているのがワタシでもー今日、通りすぎようとしてその白に振り返るワタシには昨日のことのような三年前ー多分かわらずの同じ笑顔の間に今日もやっぱり君もいて、私達の普段着の祝辞を微笑んで受けてくれたことだろう。