Intermission(ほんじつはおやすみ)~それで、~

いつものように、台風の勢力は眠っている間にこのまちをあとにしたのだろうと、今は風の音もほとんどない表へ出て、何を買いもとめるのだったかはもうにじんでよめないメモみたくぼんやりのまま、とにかくおやつを買いにだ、と、普段にない目的を掲げて歩き始めて、目には声のない濡れそぼつ空間をぐるりと映して確認ー鳴いて枝先でこちら見ているのはどこのしじゅうからだよ!、藪から藪へふた跳ねで渡る狭間で先をまったく急いでいない緊張感のないバッタは何者?!、あろうことか!!、普段はあまり見かけもしないコウモリが灰色の雲のながれを背景にしながら谷の上昇気流によろけて飛びだし…まるでみんな、台風などへいちゃらさ、といっているような…何だろう、この既視感は…それはつまり、似た者同士、うっかりもの同士の出会いが会わせ鏡を覗くごとくということ、ずぶ濡れで無人の通りを歩きながら30分後のワタシはようやく合点が行くー笑みもある納得の瞬間ーなんだ、会いたい誰かって未来の自分か、と。