Intermission(ほんじつはおやすみ)~かつおのかお~

包丁折りのかつおの頭が冷凍庫から出てきたー大きく切り出していたので、暖房してない部屋に置いてそのまま半日解凍したのにまだ霜がしていたが、てを冷たくやきながらむなびれまわりをとりだしたたいて一食、残った部分を野菜とじっくり煮て翌日もう一食ー食べるのはいずれの場合も家猫たち、頬に始まってできるだけの身をほじくりだすのがワタシの役目なのだが、そうしようとする度に、てに持った乳白色の骨が更に細かい部分になって皿の上に落ちる……それらのひとつひとつが、警告のように鋭い先端を備えていること、そうしてその小さく分解されて行く骨と、それらを繋ぐ筋肉の精巧な造りと連携をほんの一部目にしたーそれだけ、だけど、これが偶然に生まれたものと言われてもなぁ…と、逆に偶然という言葉の方が自分のなかであやふやなものに還元されそうになるーそれほどに凄い、生き物というのは……その驚異的なものが我が家の食卓に上るのははっきりと偶然ばかりのことではなく、いただきます、と、手を合わせること以外で、この行き着く場のない感慨から自分を一時自由にして、辛うじて立たせておくことは、ワタシにはいまのところできないーこれからも、できるだけ、あおさかなは丸ごと求めて自分で調理しようと思う。