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荒れた生活

警察で長時間の事情聴取から月日は経過していた。月日が経つにつれて私の生活が段々と荒れてきた。先輩達に目を付けられ毎日喧嘩の日々。他校の先輩までも喧嘩を売りに来た。私は友達と呼べるのは一人しか居なかった。私と一緒に居ると先輩に目を付けられるから誰も近寄らなかった。先輩に媚を売り可愛がられてる奴らも居た。しかし私はそんなグループには入らなかった。何度か遊びに誘われ遊んだ事もあったが結局は先輩達に媚をを売り仲間になれ、と遠回しに言われたので遊ぶのをやめた。唯一、友人と呼べる子はグレてない普通の子である。近所の子でいわゆる幼なじみだ。
彼女は私の容姿や生活が変わっても変わらなかった。暇な時は私の家に遊びに来る。
そんな彼女も部活を始め段々と時間が合わなくなる。一人で居る時間も増えゲーセンに通う日々が増えた。そんな時にある男性と出会った。
彼は私の4才年上。18歳で働いていた。彼もよく夜のゲーセンに来ていたらしい。私は気づかなかったが彼は私がよく居るのを気付いていたらしい。
ある日、彼が話かけて来た。
彼「よく居るけどいつも一人だね」
私「……」
彼「暇なの?何歳?」
私「14歳」
彼「え?中坊?」
私「はい」
彼「見えないね」
私「そうですか」
彼「暇ならドライブ行かない?」
私「どこに?」
彼「これから仲間と走りに行くんだけど一緒に行く?」
私「友達も居るなら」
彼「じゃあ行こう」

そんなやり取りをして駐車場に行った。彼の車はセダンの車でわかりやすく言うと車高が低く、フルスモークでフロントガラスにも1/3くらいスモークが貼ってある車だった。彼の車に乗り集合場所まで向かう。車内で色々話した。私の事や彼の事。そんな話をしているうちに集合場所に着いた。私はその光景に驚いた。凄くうるさい単車や車が数百台だろうか、数えきれないほどだった。人もたくさん居て初めて見た光景に驚き車から降りれなかった。彼は車から降りて仲間の所に行った。私も一緒に降りるよう言われたが驚いて降りれなかった。
まさに暴走族との出会いであった。
今日は集会と言うみんなで集まって走る日らしい。いざ出発の時の凄さにまた驚いた。一斉に動き出す単車や車。単車には女の人もちらほら乗っていた。みんな笑顔だった。彼も窓を開け単車の人達と話しながら走っていた。私の中にまた好奇心が目覚めた。一人で居る時間が多くなっていた時にこんなにたくさんの仲間と過ごし単車や車で走るなんて楽し過ぎると思った。かなりの距離を走り朝方に解散する。彼からポケベルの番号を渡された。当時は携帯なんて物は存在しない。ポケベルが連絡手段だった。朝方、家の前に送ってもらいまた連絡する事を約束した。
彼との出会いで私の人生がまた変わり始める。

宜しくお願いします