年下彼氏との始まり
彼と温泉施設に行き食堂で色々と話してる事で彼の事が少しわかった。
・別れた彼女を見守ると決めた
・父親は二十歳で他界
・兄が居て結婚し別居
・現在は母と二人暮らし
別れた彼女を見守ると言う事意外は何処の家庭でもある話し。私が気になるのは別れた彼女への想いである。行動はしていないがストーカーみたいで少し気持ち悪いな、と思った。そこで
私「彼女と連絡は取るの?」
彼「結婚してるので連絡はしないですよ。でも連絡先はまだ残してあるし彼女が何かあったら連絡出来るように何も変えてないです。」
私「彼女に何かあったらってどう言う事?もし彼女が離婚して助けてって連絡来たら子供も含めて助けるの?」
彼「彼女がそうして欲しければそうします」
私「………ふ~ん」
正直、ちょっと引いた。と、言うよりこの子は何を考えているのかわからなかった。そんな彼のプライベートの話しをして2時間ほど経過した時にもう一度お風呂に入ってそろそろ出ようと言われたのでまた待ち合わせ時間を決めてお互いに入浴した。
そして支度を終えて待ち合わせのロビーに行った。
彼はすでにロビーに居た。声を掛け会計に向かった。
店員「お会計は一緒でよろしいですか?」
彼「はい」
私「あ、いや…」
店員「別ですか?」
彼「いや、一緒で」
会計前で押し問答するのもみっともないので彼に従った。会計終わってから割り勘にすればいい事だから別に問題はない。
そして会計を終えて施設から出た後に会計の金額を見ていたので半額分を彼に渡そうとした。
彼「今日は僕が誘ったから要らないです」
私「ならば飲食代だけでも払わせて」
彼「本当に大丈夫です」
私「いや、そうはいかないから」
彼「じゃあ飲食代分もう少し付き合ってもらえますか?」
私「は?どういう事?」
彼「まだ時間大丈夫なら飲食代分の時間付き合って下さい」
私「時間は大丈夫だけど…」
彼「じゃあ決まり。これから行きたい所があるので付き合って下さい」
私「う~ん、わかった」
何か彼に押しきられた感じでもう少し付き合う事にした。職場では口数少なくてわりとおとなしい感じの彼が意見を言い自己主張するのは初めて見たので少し驚きもあった。温泉施設近くの駅に行き言われるがまま電車に乗る。電車の中では特に会話は無かった。数駅後に電車を降りて歩くと水族館が見えた。
彼「ここです」
私「えっ…」
驚いた。何故なら数日前に会社の休憩時間に私は水族館に行って癒されたいと仕事仲間に話していた事を彼は聞いていたのだ。
彼「仕事で疲れているだろうからたまにはいいんじゃないですか?」
私「ありがとう。行きたかったんだ」
彼「良かった。じゃあ行きましょう」
彼が凄く良い笑顔で先に歩いて行く。私は付いて行きながらも戸惑った。何故ならさりげなく私の望みを叶えてくれ会社での彼と全く違う感じの彼にどう対応したらいいのかと戸惑った。
チケットを購入し水族館の中へ行った。マイナスイオンと薄暗い中の水槽で優雅に泳ぐ魚達を見ているだけで心が浄化される。水槽前にあるベンチで呆然として水槽を見ていると後ろから抱きつかれた。急な事で私も呆然としていたので完全に油断していた。そして耳元で
彼「僕じゃダメですか?」
私「は?」
彼「彼氏に僕じゃダメですか?」
私「え?いや…」
彼「考えといて下さい」
私「…………」
水族館で後ろから抱きつかれ急に告白されても何も考えられない。それよりも彼を恋愛対象として見ていなかったので完全に油断していた。以前、会社の飲み会で私は彼氏は作らないと話していた事がある。何故ならこの年で傷付いたり、傷付けたりとかもうしたくなかったからだ。
彼が私から離れ歩いて行くので私もなんとなくついて行った。館内を一通り周り外へ出て今度はイルカショーを見た。その時はイルカの可愛さにお互いはしゃいだ。そしてショーも終わり外も暗くなってきた。
彼「そろそろ帰りますか?」
私「そうだね」
最寄り駅に向かう道中に彼が話してきた
彼「彼氏作らないんですか」
私「うん」
彼「何で?」
私「お互いに傷付けたり傷付いたりしたくないしこの年で付き合ったとか別れたとかめんどくさいから」
彼「ならば傷付かなくて別れない相手ならいいんですか?」
私「極論はそうだね(笑)そんな人居ないけど(笑)」
彼「居ますよ。目の前に。」
私「は?いや、無理だから(笑)」
彼「何で無理って決めるんですか?」
私「てか、別れた彼女を見守るって決めたんでしょ?大人をからかうんじゃないの(笑)」
彼「実はちょっと前に彼女に連絡して自分の想いを伝えたらもう自分の人生歩いてくれって。私の事はもういいからって言われたから自分の人生歩こうと思った時にSKYさんの事は入社した時からずっと好きでいたんだけど彼女の事とか色々考えたりしてなかなか決断出来なかったけど今日、決めた。あなたの事をこの先一生守ります」
私「いや…ちょっと考えさせて欲しい」
彼「何で?」
私「あなたの事をよく知らないしあなたも私の事知らないよね?」
彼「付き合ってから知れば良くない?最初からお互い全て知らなきゃいけない?」
私「いや…」
彼が急に覚醒したかのようにグイグイ来るので圧倒され言葉に詰まってしまった。
彼「じゃあ付き合って嫌な事あったら言って。傷付けたりする事はしないから。」
私「いや…ちょっと…考えたい」
彼「何を?何を考えるの?考えて何か変わるの?」
覚醒した彼は今まで見た事がないくらいに良く話す。こんなに良く話し強気な彼は初めて見た。返事に戸惑っていると
彼「いい?付き合ってくれる?」
私「いや……」
彼「いいよね?断る理由ないよね?」
私「いや……」
彼氏の強い押しに負けそうになる。と言うより明確な断りの理由が出て来ない。
彼「じゃあ決まり。何て呼べばいい?」
私「え?いや……」
彼「断る理由ないんだからいいじゃん」
私「…………」
彼「何て呼べばいい?」
私「………SKY」
彼「わかった。」
結局、彼の押しに負けた。明確な断る理由も出せなかった。彼は嬉しそうに笑顔で歩き出しその後ろを着いて行く。たまに振り向き笑顔を見せる。そして立ち止まり私を待って追い付いたら手を繋いだ。恥ずかしかった。彼はウキウキだが私は恥ずかしかった。私達の付き合いはこんな感じで始まった。
この続きはまた次回