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大魔法使いの血 ① ここは天国?

プロローグ

「は?」
___瞬間、身体だけが落下した。

そして俺は射抜かれた。それは1秒にも満たないほどの刹那、走馬灯も見る余裕すらないほどの刹那だ。その刹那で見た光景は杖を持っていた。まるで魔法使いような風貌であった。俺は異世界に来てしまったのか…?

とはいえ声すらも出せない程の激痛。間髪入れず俺は死んだ。兎に角一瞬の出来事、それは異世界を天国と誤認する程だ。天国も言ってしまえば異世界のようなものだから間違ってはいないのだが。

(ちくしょう…俺の人生ここまでか…)

「it…………is…………」

何か言ってるみたいだが俺にはよく聞こえない
というか明らかに言語が違うがこの時の俺はその事を考える気力も元気もなかった。

(こんな事になるなら…こ…)
俺は死んだ。

_______ 3年後 ________

「あれ、俺生きてる…?」

見渡すとそこはお花畑、川の音もする。
三途の…川?

「天国…」

おじいちゃんおばあちゃんごめん。
俺、先に逝ったようです。

結構寝てたからか身体がガタガタであった
思う様に動けないのでもう一眠りすることにした。

どうせ死んでちゃあ幾ら寝てようが行き着く先は一緒だよね…って臭っ!

勢いのあまり起きてしまった。
酷い悪臭を漂っている制服。射抜かれた箇所も陥入爪のように我慢出来るが地味に嫌な痛みが残っていた。

船乗りが居ないか探してみたけどいない。
それどころか向こうに魔物っぽいのもいるし…。

じいちゃんが言ってたけ…。
人は死んだら1番自分自身だと認識できる
姿に生まれ変わるって

服臭すぎ、爪伸びすぎ、髪伸びすぎ、痒すぎ
「…これは無いね。」
不幸中の幸いで生き永らえてたみたいです。

それにしても知らない土地に知らない生物達
色んな事が起こりすぎて混乱してきた…。

取り敢えず。ひとつ言えること…
いや、言わせてほしいことは


「帰りたい」

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