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生涯趣味をもとう!

先日、遊びにきた妹が「ピアノを買ったの。」と言った。

妹の家には、実家から持っていったアップライトピアノがあったはずで、はて、なんでもう一台買ったのだろう?と思ったら、彼女が買ったのは電子ピアノだった。

「ピアノはアンちゃん(姪っ子)が練習するし、夜は弾けないから。自分用にいつでも弾ける電子ピアノ買ったんだ。」ということだった。そして、この買い物がすこぶる素敵な日々をもたらしているらしく、「お姉ちゃんも買いなよ!もう、毎日が潤うから!」と熱心に勧めてくる。

音楽のある日々の素晴らしさを、ウットリとした表情で語る妹の話を聞いているうちに、わたしはすっかり電子ピアノの魅力に取り憑かれてしまっていた。

いま現在のわたしの趣味といえばスポーツばかりだ。ロードバイクは乗り始めて13年目になるし、ランニングも続けていてフルマラソンも何度か完走した。どちらもコツコツとトレーニングを続けていないと、あっという間にうまく走れなくなってしまうので、日々なんとか頑張って続けている。

もう若くもないので「頑張る」ことも辛くなってきた。じゃあやめればいいのでは、と思うかもしれないけれども、よほどのきっかけでもない限り、ずっと続けてきたことを辞めるのって難しいのだ。もはや歯磨きとか入浴をやめる、に近い。

毎日気力と体力を振り絞ってばかりいるので、気づいたらお肌も心もカサついている。そう、今こそわたしには潤いが必要な気がするのだ!

そこで、潤い効果のあるらしき(あくまで個人の感想です)ピアノを手に入れたいと思うようになった。

実をいうと若かりし頃は音大生だったので、一応ピアノは弾くことができる。ピアノ科ではないので大して上手くはないけど。5歳くらいから中学卒業までと、音大受験前の一年間は先生について習っていた。

でも、ピアノもスポーツみたいなもので、一週間弾かないと1ヶ月分くらい後退すると言う。1ヶ月分とは、どの位を指すのかイマイチわかりずらいけど、確かそんなことを先生がよく言っていた。その言葉を聞くたびに「今までの努力が水の泡になる!」と恐怖に駆られ、毎日ピアノの前に座って必死に練習していた。思えば、あれはまったくといっていいほど潤いなんてあったものじゃなかった。

結婚してからは実家に行った時に弾いてみるくらいになり、それもいつしか途絶えた。母がコストカットのために調律師を頼まなくなり、気持ちの悪い音しか出せなくなったピアノに触る気が失せたのだった。

そういうわけで、いったい何年弾いてないのかわからないので、もう絶対指はまわらないだろう。っていうか譜面読めるんだろうか。英語も使ってないと喋れなくなるらしいし、楽譜に書いてあることが理解できなくなっているのではないかしら。

それでも潤いは手に入れたい、と切に希望する。

ピアノは生涯続けられる趣味になるし、好きな曲、憧れの曲を弾けるようになりたいなと思う。ゆったりと音楽を楽しむ暮らしは、きっと素敵。弾きたい曲の譜面を買いにいくシーンを想像して、まだピアノさえ手に入れていないのにワクワクしている日々なのです。



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