先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)って何?
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の診断が下るまで、体験記を書いておきます。
2020年4月7日に逆子のため帝王切開で生まれた次女。
5月1日に病院で「クレチン症」という病名が確定しました。
初めて聞いた病気だったんですが、結構多いらしく、その病名が確定するまでの体験記を記しておきます。
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)は、
その名の通り、甲状腺から出る分泌液が少ない、もしくは、出ていないことが原因で、成長が悪かったりする病気だそうです。
詳しくは、こちら。
重症〜軽症までありますが、娘は割と軽症の方のようですが、それが判明するまではこのような経緯でした。
1:産院から突然の電話
退院して4〜5日目ごろ。まだ帝王切開のお腹の傷がめちゃくちゃ痛い頃。
娘を授乳していたら、産婦人科から突然電話。
(退院した後、病院からかかってくる電話って、いいことないイメージ・・・その通り・・・)
看護婦長さんから、私の体を気遣う言葉をいただいたあと
は?クレチン症って?
甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値が、通常5以下なんですが、21あって再検査が必要です。とのことでした。
授乳中でまだお腹の傷も痛みましたが、とにかく生後10日ぐらいの次女を車に乗せておじいちゃんの運転で産婦人科へ。
初めて聞いた病気で、どんな症状かなど何もわからず、ネットで調べたりしても動揺もあって頭に入らず。それよりも、妊婦生活の時、コーヒーを飲んだから?食生活が悪かったから?など自分を責めて、涙が出てきましたが、父親(おじいちゃん)もいたし、涙を堪えて向かいました。(結果的に母親の暮らしぶりは大して関係ないようでした)
2:産科で採血
病棟について、名前を言って、娘は両手の甲に注射をして採血。結果は2週間後とのこと。
待合室でいろんな思いがぐちゃぐちゃになって、一人シクシク泣いていました。いろんな思いとは、
などなど、突然のことすぎて状況がわからず、パニックになっていたため、マイナス思考に囚われていたな〜と今となっては思いますが、その時はお腹の傷がいたかったり、夜の授乳も始まったばかりで眠気があったり、心も体もボロボロ状態だったので、いろんなこと倍増で自分を責めてました。
3:帰宅〜結果待ち
家に帰ってきて、東京にいる夫に改めて報告。病院で号泣したおかげで少しガス抜きができて、帰りの車で少しネット調べをした結果、薬を飲めばいい程度では?と理解できて少し落ち着いていました。
何より、夫がいってくれた
僕はアレルギー性鼻炎があって喘息があるから薬が欠かせないし、ママもアトピーと喘息があって薬が欠かせない。それと同じように、和葉(次女)もどういう病気であっても一つの個性だよ。
という、娘の一つの個性という言葉に合点がいってとても救われました。
結果は2週間後。何もしようがないので、いつも通り。病院で体重を調べたら少し増えが悪いとのことで、ミルクの量を少し増やしましょうと言われたので、ミルクを増やして体重が増えるように気をつけることに。(気をつけると言っても、ミルクの量と回数を増やしただけだけど)
4:再採血の結果
採血から5日目。産院から連絡。甲状腺刺激ホルモン(TSH)が基準値5以下で、再検査で16。やはりやや高いので専門の大きな病院で診てもらった方がいいと、産院の婦長さんから連絡がありました。
マスクリーニングで21、再検査で16。着々と減ってはいるけど、基準値以上。ということで、実家の福岡で、小児のクレチン症を診てもらえる病院にいくことに。九州大学病院か徳洲会病院かこども病院の3つを提示してもらいました。
家からの距離や、今は新型コロナウイルスの感染症で緊急事態宣言発令中。感染リスクも考慮して、こども病院へ。子ども専門病院で、評判がいいので決めました。
内分泌・代謝科が対象の科です。産院にどの病院にするかを決めて伝えたら、産院側が予約をとってくれました。コロナもあって外来を減らしていること、先生が空いているかわからないので直近で空きがあったらいつでも良いですか?とのことでしたので、いつでも大丈夫です!決まった日に行きます!と伝えたところ、なんと翌日の朝一番!9時から予約で8時45分には受付してくださいとのこと。
お腹が痛い&寝不足でしたが、そこは頑張って!
5:再検査2回目
採血の結果発表の翌日、福岡のこども病院へ。
検査、案外やることたくさんです。
1)問診
紹介状を渡して、今日の流れの説明を受けて簡単な問診があって、次の身体測定へ
2)身長体重測定
おむつも外して、体重と身長を測ります
3)採血
右と左の手の甲部分から2本分の注射です。手の大きさに大して、止血テープが大きくて、少し可愛そうになります。
4)レントゲン
膝の骨のレントゲン写真をとります。小さい体でレントゲン。ちょっと驚きましたが、骨の成熟の具合をみるそうです。重度のクレチン症の場合、お母さんのお腹にいたときに骨の成熟が遅れ、大腿骨(太ももの骨)の端にある骨核と呼ばれるものができていなかったり、小さかったりするので、それを確認するそうです。
娘の場合は、ちょっと小さいような気もするけど、ちゃんと発育していました。
5)エコー検査
甲状腺超音波検査(エコー検査)では甲状腺の大きさや場所、形を測定します。喉の部分にエコーを当てて様子を診ます。
娘の場合は、ちょっと小さいけどちゃんと存在していて特に異常なしと言われました。
6)尿検査
これは採血のときにおむつの中に、採尿パックをつけてもらいます。
これに苦戦しまして、大人や言葉がわかる子どもなら、お茶をたくさん飲むとか意識的に尿を出すのは可能ですが、なんてったって生後3週間。全然おしっこが出なくて、途中でミルクを飲ませたりしましたが結局2時間の中で採尿できず、検査できませんでした。でも、尿の結果がなくても検査はできるとのことで、「採尿なし」で検査は終了となりました。
7)検査結果の説明&問診
採血の結果が出るまで2時間。8時45分に病院に到着して受付を済ませて、結果説明は12時すぎ。疲れました・・・・。コロナが心配で、途中何度も手を洗ったり、極力、いろんなところを触らないようにしたり、気を張りながらだったので余計に。3週間の赤ちゃんは抱っこ紐も使えませんし、ベビーカーもまだちょっと早いかなと思って持って行っていなかったので、ずっと抱えていたので、正直ヘトヘトでした。
検査の結果は、数値が「微妙」すぎて、即病名をつけることはできないとのこと。指標となるTSH値は、11に。21→16→11と、計測するたびに減っています。このTSH値というのは、生後直後、ドーンと数値が高く跳ねるそうです。その後徐々に低下して、生後5、6日ごろ?に正常値に落ち着くそうです。なので、入院中の検査は、退院の日、ギリギリ最後にするそうです。
ただし、中にはその数値の下がりが遅い子がいるそうで、娘はそのタイプの可能性があると。徐々に下がっているから、問題ないかもしれないけれど、あるかもしれない。なのでまた1週間後に来て、同様の検査をしようということになりました。
いったん、終了。ちなみに保険証がまだできていなかったので、全額自費で27,000円程度かかりました。(後ほど精算します)
6)再検査3回目
1週間後、2020年5月1日。
同じ時間に行って、身長体重測定と、採血の検査をしてまた2時間待ちで、
診察でした。
今回はエコーやレントゲンなどはなしです。
検査の結果、
TSH値は7。(21→16→11→7)着々と減少しています。もう一つの指標である、甲状腺ホルモン自体がちゃんと出ているかを示す、T3・T4(甲状腺ホルモン)の値も、ほとんど異常ないのですが、ほんの少し、0.3ぐらい足りないと。
そこで先生から言われた選択肢は2つ。
A)を選択した場合、
薬は毎日1袋、チラーヂンSという薬を毎日同じような時間に飲む。
3歳まで、月に1度、採血検査を受け続ける。
B)を選択した場合、
また3週間後様子を見て、その後も2〜3ヶ月に1度、病院に行って採血検査をして都度どうするか確認する
ということでした。どちらにせよ、3歳まで頻度は違えど病院に通う必要があるということでした。今、どうするか決めてほしいということで、一旦保留にして、夫に電話して、私たちはA)を選択しました。
いずれにせよ、■病院に行く必要があること、■後になって早く治療しておけばよかったと言わないで済むようにしたいこと、■副作用も確認したらあまりない薬だったこと(ぶつぶつが顔に出るかもしれない、肝臓に負担があるかもしれない。ただし肝臓は毎回の血液検査で異常があればすぐにわかるとのこと)■キチンと定期的に治療した方が安心であること。
これらを理由に、薬を始めたので、娘は、クレチン症と病名が確定しました。
ちなみに、病名が確定したことで、特に変わることはないそうです。可能性としては、将来保険に加入するときに、確認が必要になるかもしれないぐらいだと。保険に関しては、近いうちに、保険会社勤務かつFPの友人に確認します!
先生に伝えたところ、その判断がいいかもしれませんね、と言われて安心しました。
7)現在
2020年5月1日から、始めたチラーヂンSという薬を、今毎日、飲ませています。薬は味なし。ミルクに混ぜて飲ませています。
体重の増えも良好で、二重アゴになってすくすく元気に成長しています。
今、福岡の病院にいますが、東京の家に帰ってから通う病院を探している最中です。3歳まで3年間。月一となると、最低でも36回は通うので、通いやすく、できたら通いたくなる環境(帰りにちょっとお買い物できたり、家族4人でお散歩ついでにいけるような楽しい場所)で、信頼できる先生を探したいです。ちなみに、大人の内分泌科はたくさんありますが、小児となるとだいぶ減るそうです。
病院が決まって通院したらまたお伝えします。
以上が、我が家のクレチン症診断が下るまでの経緯でした。
どなたかの参考になれば幸いです。
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