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「スカイセブンモバイル新宿店」で働く理由

1.「もうここにはいられない」


トイレの中で1人、そう決心した。


「人のために」「GIVE &GIVE」


などと社訓を掲げながら

社員や外注先が全員キャパオーバーになるまでこき使う会社。

自分のミスは棚に挙げて

こちらをネチネチ詰めてくる

嫌みな先輩。


「これが我々の限界なんです、助けてください」

と明らかにキャパオーバーな仕事量を

泣きながら外注先に振る上司。

その後飲み会を開き、

泥酔&女性社員に元気にセクハラ。

限界とは。

ほんとこんな感じ


現場で死ぬ気で働きながら

不当な待遇への怒りを

私にぶつけてくる

外注先の人たち。

吐きながら働いている人もいたし

ふつうに怪我人も出てた。

死人が出なくてほんとうに良かったと思う。

「どんな時でも笑顔笑顔!」

と言って励ましてくれた、優しい先輩も

期間中はロキソニンでずっと謎の激痛に耐えていて

仕事がひと段落したあと、有給で病院に直行していた。



「もう怒られたくない」

「もっと頑張らなきゃ」

「自分だけでも何とかしないと」


そう思って、無理をした。

そしてけっきょく自身もキャパオーバーになり

どうしようもなくなる。

全てが最悪だった。


ある時から出勤すると急に具合が悪くなり、

午前中に退勤してしまうことも増えた私は

限界を感じ、会社を辞めた。


正社員になる前の試用期間はバイトのような形だったため、

退職金や失業手当はもらえない。


クレカはブラック状態。

貯金もほぼ0だった。


失業後は家賃も払えなくなり

友達の家で寝泊まりしていた。

申し訳ないので

別の友達に拝み倒して借金し、

何とか自分の家を借りた。

その後同じ業界の仕事をしようとしたら

また急に具合が悪くなり、

何もできなくなる状態になった。

精神科に行ったら、「適応障害」と診断される。


潰しの効かない世界にいたので

今まで積み上げてきたものが

使えない状態になってしまった。



2・借金、無職、ブラック、適応障害


こうして“借金持ち、無職、ブラック、適応障害“の人間が出来上がった。

いろんな支払いができず、請求の手紙がわんさかくる。

封筒の色も最初は白だったが、

黄色、そして赤へと変化していく。

友達への借金も残ったまま。


あまりにも封筒が来すぎて、いつしか

「まるで紅葉みたいだな〜」

と、他人事のようにしか思えなくなった。

そういえばウシジマくんにこんな人いた気がする。


それでも生き続けるには働かないといけない。

ぐちゃぐちゃの部屋で準備して

日雇いでなんとか繋ぐ日々。


でもこれじゃ生活するのに精一杯で、お金を返したくても返せない。

ずっと貧乏暮らしなのも辛いし、体力にも自信がある訳じゃない。

安定しない仕事のストレスも結構ある。

「とにかく安定してお金が欲しい」

こうして職探しが始まった。


3・見つからない


未経験可でも通らない、
面接して手応えを感じても雇ってもらえない。
まともな職歴もないし、歳もそんなに若くない。
おまけに頭も良くない。

もうだめだ、業界だけじゃなく
社会にも見放されてたんだ。

今まで何をやってきたんだろう。
馬鹿な人生を送ってきた自分を悔やんだ。
でも悔やんだところで状況は変わらない。

一体どうすれば・・・

そんな中、友達から紹介されたのが
スカイセブンモバイルの仕事だった。


真っ先に目についたのは、
「長期で同じ場所で、定収入で働ける」
ということ。

渡りに船だった。

「お願い!そこで働かせて!!」

こうして、仕事が何とか決まった。


4・スカイセブンモバイルの仕事

紹介ということもあって、

それからはスムーズだった。

場所は新宿大ガード下から

ちょっと歩いたビルの一室。

1Fにはセブンイレブンがあって、その横からビルへ入る。

エレベーターを上がり、

4階の突き当たりの部屋へ辿り着く。

「ちょっと怪しいなあ・・・」

と思ってたけど、

中は意外と綺麗なオフィスだった。

「こんにちは。Tさんの紹介だよね、これからよろしくお願いします」

できるビジネスマンと、

優しいお父さんを足して2で割ったような人に挨拶された。

どうやらこの人が店長さんらしい。


スカイセブンモバイルは

“審査不要で誰でもスマホ回線が持てる“

というのが特徴の携帯ショップだと説明された。

内心、

「審査不要って、闇金みたいなフレーズだな」

と思った。

(お客様からもたまに言われます。笑)


それからしばらく働いてみた。

まず、お菓子を食べてもいい職場というだけでも

正直、感動した(単純)。


そしてお客様から直接感謝いただけるのが

とても嬉しい!

怪しいと思っていた「審査不要」も

ほんとうだったし、

料金も普通の携帯会社さんとあまり変わらなかった。

むしろ安くなることもあった。


たぶん違う点は、

このお店には本当にいろんなお客様がいらっしゃるということ。

生活保護、元受刑者、無職、施設、借金、帰国したて、クレカブラック、他携帯会社でウン十万滞納中、求職中だけどスマホがなくて働けない、お金はあるけど信用がない・・・

こんなに回線が契約できなくて困ってる人がいるなんて知らなかった。

店長はいつも忙しいけど

誰にでもとても優しく、親身に接客していた。

時々、お客様からの電話で

「あれ、店長さんいないの!?え〜」

みたいな反応をされることもあった。笑

人から好かれる人なんだなあと思ったし、

私にも優しかった。

ある時、大きめのミスを連発してしまって落ち込んでいる私に

「つぎ気をつければいいから!いつも助かってます!」

と励ましてくれたりもした。


前の職場ではあり得なかったことだから、

感謝もありつつ「なんでだろう?」と不思議に感じた。


そんなある日、店長に

「どうしてスカイセブンモバイルの仕事を始めたんですか?」

って聞いてみた。


5・店長の過去

「昔、生活に困っていた時期があってさ。

自分名義のスマホ回線、持てなかったんだよ。

それで当時の彼女(現・奥さん)名義でスマホを借りてさ。

とても肩身の狭い思いをした経験があったんだよね。

その後、奥さんと協力して立ち直ったあとに

偶然スカイセブンモバイルを見つけて、

“あっ、これいいじゃん、社会にとても必要なサービスだ!“

と思って始めたんだ。

携帯が無くて僕も本当に困ってたから、

もしそういう人がいたら助けたいなって。」

って語ってくれた。

どうして優しいのか

少しわかった気がした。


6これからの自分

そして、そんな店長の優しさが

この店を通して、お客様に届いてるんだな

ってその時思った。

私もそんなふうになれれば・・・

とは思いつつ、

まだまだ自分のことで精一杯。

すぐには無理かもしれないけれど、

こういう優しさが

もっともっと広がればいいなと思って、

今日も働いてます。


今読んでいるあなたにも

巡り巡って、店長の優しさが届きますように。


最後まで読んでいただきありがとうございました!


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