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気がついたら自作テンキーができていた話

自作キーボードの動画を見たらすっかり自作欲が芽生えてしまい、その日は確か火曜日くらいだったのだが、日曜にはテンキーが生えていた。

そもそも文字をたくさん書く仕事なので、タイピングが楽しくなるには越したことがない。
できれば会社で使えるものを作ってみたかったのだが、流石にお試ししたほうが安心そうだったので、テンキーを作ることにした。

遊舎工房でキット購入

というわけで土曜に自作キーボードのおみせ「遊舎工房」へ突撃。

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上級者向けの分割キーボードキットはもちろん、初心者向けの4キーだけのキットやテンキー、自作に関する同人誌も扱っている。
工具を持っていなくても超格安で借りられる作業スペースもあった。

自作キーボードのキットは1~4の難易度が付けられており、今回は最も簡単な1のテンキーキット「Soyuz」を購入。
キット以外に必要なパーツは店員さんに教えて頂き、このキットを組むのに追加で必要なキーキャップとキースイッチ(反応の早いのがいいのでSpeed silver)も購入した。キーの色や押し心地を選べるのは自作の醍醐味といったところで、めちゃくちゃ迷った。

今回は4×5のプレート上にキーを20個生やす予定だったので買っていないが、例えばキー2つぶんのエンターキーなどを生やす場合はスタビライザーというパーツが必要になり、工程にもちょっと変化がある。

買ったものはだいたいこんな感じ。キットが3000円弱で、あとは必要個数のキャップとスイッチでトータル5000円弱。ちなみに、表面のプレートは上述のキー2つ分の穴がいくつか空いており、ここはキーひとつ分でも、2つ分でも作れるようになっている。

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工具類の購入

ここまでで実は1時間くらい悩んでいたのでお昼を食べて工具の買い出しへ。
作業スペースを借りてもよいのだが、今後自宅でやりたかったので一式揃えることにした。秋葉原のマルツで必要な工具や材料は大体売っている。秋葉原以外でも買えるものは百均で揃えてコストダウン。グルーガンやマスキングテープはなくてもよいものだが、補助的に一応買っておいた。

割と良いはんだごてを買ったのでトータル1万くらいかかっているが、選ばなければもっと安く抑えることは可能だ。

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ちなみにはんだ付けにあたって買ったのはこの辺の道具。海外サイトでパーツを買うときはHot Swapというはんだ付け不要のものもあるけど、しっかり自作しようと思うほどはんだ付けは避けられなさそうなので、一通り道具を揃えた。購入時は右記の記事を参照している。(https://news.line.me/articles/oa-ascii/eaaf566f414e

・はんだごて本体(温度設定可能なもの:LEDを扱う場合は必要)

・はんだごてスタンド

・はんだごてのコテ先(C型)

・はんだ(基盤用)

・はんだ吸い取り線(失敗したときにはんだを回収するもの)

・練習用の基盤、ダイオード(いきなり失敗したくないので)

・リードベンダー(ダイオードを曲げるのが楽になる治具)

・テスター(はんだ付け箇所の通電確認のため)

はんだ付け練習はやっといたほうが安心

家に帰って早速制作!といきたいところだが、はんだ付けとか小学生の図工の授業からやってないわ…ということで、練習用に買っておいた基盤とダイオードではんだ付けの基礎から復習。

最近はなんでもYoutubeにやり方動画が載っているので、今回使うスルーホール基盤のはんだ付け方法を検索しつつ練習した。便利な世の中である。そして意外とはんだ付けは簡単なのだが、きちんとつないだ部分が通電しているかをテスターで確かめるのが大変ということがわかった。

ちなみにリードベンダーがダイオードを曲げるのにとても便利だった。ダイオードを差し込む穴と穴の距離に合わせてきれいに曲げられるよ!というものなのだが、間違いがなくてよい。

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やっとテンキー製作

というわけでかなり時間をかけて練習用基盤をダイオードまみれにしたところで、本番のテンキーづくりに突入。

作り方はキット内のビルドガイドもあるが、今回のキットは海外の方が制作したときの動画URLが添付してあり、主にそれを見ながら作業を行った。なんかビルドガイドと微妙に手順違ったけどね…!動画は英語だが作業の様子がわかりやすかったので、割とおすすめ。

まずはダイオードをリードベンダーでまげまげしてPCB(右下の板)の所定位置に刺していく。ダイオードには向きがあるので、間違えると動かない。PCB上にガイドがあるので、それとダイオードの黒線の位置を合わせて配置する。

それからたくさん生えてるダイオードの線のわきからはんだ付けをしていく。くっついたら、線の余分な部分はカットする。

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全20箇所のはんだ付けが終わったときの表面がこちら。かわいいね。

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そこから更にリセットボタンをはんだ付けし、最上部のプレートにキースイッチをとりつけておく。写真を取り忘れたけど、スイッチもはんだ付けの必要なピンがあり、PCBの上にくっつけていく必要がある。全部くっつけたら、通電確認のために、キーを押し込みながらテスターが反応することをチェックしておく。全キー分やるのがなかなかつらい。

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ここまで終わったら、PCB上にPro Microというパーツを取り付ける。上の写真のPCB右上にある長方形のエリアにくっつけていく。さっきダイオードやキースイッチをはんだ付けした箇所の上につけるので、後戻りがしづらいやつだ。通電確認は大事。

ファームウェア書き込み

そこまでやると、大体キーボードっぽいものがなんとなくできる。興奮のあまり写真は撮り忘れた。底板をネジで止めて完成させる前に、ファームウェアの書き込みという作業がある。簡単に言うと、PC側からキー配置の割り当てとかをする作業。

それ用のツールがあるのでDLしてきてPCにキーボードを繋ぎ、気が済むまでキー配置を試行錯誤することになるので、はんだ付けとかハード的な作業よりこっちのほうが時間がかかった。これまで市販品を使ってきた人間には夢のような作業である。

今回使ったツールはQMKというもので、作業には右記を参照した。(https://salicylic-acid3.hatenablog.com/entry/qmk-toolbox

完成!!そしてこれから

そんなこんなでキーキャップを付けたり底板をネジで止めたりして、テンキーが完成!私はキー配置で数時間悩んだけど、それ以外の工程は3,4時間あれば十分作れるくらい。

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好みのキー配置にできるうえに、スイッチも押し心地を選べるので最高の1台ができた。キーキャップは仮で無刻印のものを使っているが、Ali express などで安くかわいいものがたくさん売っており、もちろん差し替えも可能だ。

一応テンキーではあるが、ネトゲをやる人などは左手デバイスの代わりにしてもよいかもしれないし、いきなりがっつり自作が怖いという人にもおすすめできる。

かく言う私は次は会社用に60%キーボードを組もうとしており、必要なものをとりあえず発注したところだ。めちゃくちゃ沼が深いので、パーツ選びとか予算などはまたの機会にまとめておこうと思う。

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