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窓辺からの眺め#16

美月はその夜、眠りにつく前にスマホの画面を見つめながら大翔の名前をタップした。一緒に過ごす時間が増えて、クラスメイトとしてだけでなく、もっと個人的な存在として彼を意識するようになったからだ。でも、メッセージの何を書けばいいのか、どのように伝えたらいいのか分からない。

そんなことを思いながら画面に指を這わせて、「こんばんは」とだけ打ち込んでみた。でも、その言葉が短すぎる気がしてすぐに消した。そしてまた「今日の授業、面白かったね」と打ち込んだが、それもまたすぐに消した。もっと普通に、もっと自然に彼に話しかけたい。でも、どうやって?

美月はスマホをテーブルに置き、頭を枕に埋めて考え込んだ。自分の中の引き出しはいつでも彼のことでいっぱいだ。でもその引き出しの中身をうまく彼に伝える方法が見つからない。しかし、その状況をただ悔やむのではなく、今度はどうしたらこのモヤモヤした気持ちが解消されるのか、解決策を見つけ出すべく思考を整理し始めた。

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