窓辺からの眺め#19
それが何だか、彼と話すたびに心の中に生まれる違和感。彼の視線の焦点がどこかずれているような、言葉に力がないような、でもそれが何なのかを、彼女自身が明確に説明することはできない。それはただ、彼の中に何かが変わり始めていることを彼女は感じている。
自分自身に問いかける。美月は何がしたいのだろう、何を感じているのだろう。普通に会話をすること、普通に笑い合うこと、それらが当たり前のようにできていた日々が、少しずつ遠くなっていく感覚。
心の奥底で、大翔の変化が何か大きな意味を持つことを理解しているが、その意味を具体化することができない。また、その理由が何かもまた、はっきりとはわからない。ただ、彼が何かに戸惑っていることは確かで、そのことが自分自身をも戸惑わせている。
美月は大翔との距離を保つことを試みる。自分の心が乱れてしまう前に、彼の変化が何なのか理解しようとする。だけど、その距離が彼をより一層遠くに感じさせてしまう。これは友情を超えた何かなのか、それともただの友情の一部なのか。それを解明することは難しい。ただ、一つだけはっきりとしていることがある。それは、大翔が美月の心に深く刻まれていることだ。
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