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窓辺からの眺め#8

俺の心情は穏やかではなかった。平然と振舞っていたけど、見破られていないか心配になるほど、自分の心の中は通常運転じゃなくフルスロットルな鼓動を感じていたからだ。幸い、美月は俺の表情をじっと見つめてないから、きっと気づいてないだろう。そう思いたい。

最近になって、美月が俺の心にどんな影響を与えているのかに気づき始めていた。以前はただのクラスメイトだった彼女が、いつの間にか俺の心の中で大きな存在になっていた。その事実に、俺自身が驚いていた。

普段はみんなと明るく接することが得意な俺だが、美月に対してはどうしても緊張してしまう。無意識に彼女を見つめ、話しかけたくても言葉が出てこない。それでも、美月と話すことが日々の小さな幸せとなっていた。

だから今日のサッカーボールの一件で、彼女の反応を見て少し安心した。自分だけが一方的に心を動かしているわけじゃないみたいだ。何となくそんなことを感じ取れたからだ。

その日の放課後、俺は帰り道でぼんやりと空を見上げながら考えていた。「美月と、もっと話せたらな。」と、心からそう思った。

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