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記事一覧

バキラが首都にやってくる

「おーい少尉、しょーうい! デートに来たぞう!」  時速500km超で飛行する機動艦の尻に突き…

摩撫甲介
5か月前
25

非合法無人傭兵

 まずカメラが回復する。  青空と暗黒雲海。  意識のタイムスタンプを確認。断絶は数秒間。…

摩撫甲介
6か月前
36

お正月レバーアタック

おれのことは摩撫甲介と読んでくれ。この前改名した。「まぶ」だからな。 上の記事のアンサー…

摩撫甲介
1年前
20

ほほえみを焼き落とせ

「神野さん、もう悲しむことはありません」  病室のベッドの娘の亡骸に埋めていた顔を引き上…

摩撫甲介
1年前
45

鉛のあしゅら

 改造医の河豚は簡単に折れた。  河豚が扉越しに声をかけると、ガラス戸がかっ開き、待たせ…

摩撫甲介
1年前
23

宙、つめたく冷えて

 横薙ぎに椅子を男のこめかみに叩きつける。  吹っ飛んだそいつに椅子を投げつけ、腹の包丁…

摩撫甲介
2年前
33

空に噛みつく青い鳥

  犬の群れが追う。  ドアを叩きつけ、もつれる手で鍵を刺す。  ロックが掛かり、吠え声と衝撃がドアを貫いてくる。  瑠璃子はバッグに手を差し込みながら、息を吸い、視線を走らせ、足を運ぶ。  バスルーム、キッチン、リビング……  音。  クローゼット。  背後。 「危なかったな」  振り向きざまにバッグを投げる。  受け止めた男の鉄仮面に照準が重なる。  銃火。金属音。  伸びる腕。  銃弾が潰れ落ち、革手袋が拳銃をもぐ。  手刀が男の手首を打つ。弾かれた手をおさえる。冷た

ホールケーキはもう出ない

 母さんは昨日のことが嘘みたいなニコニコ顔のまま、お皿を2つ、僕とカナの前にそれぞれ置い…

摩撫甲介
2年前
30

逆噴射聡一郎先生からコロナビールが届いたぞ

おれのことは摩部甲介と呼んでくれ。 クリスマスプレゼントがあった。(文庫本は個人情報隠蔽…

摩撫甲介
3年前
42

逆噴射小説大賞2020大賞、受賞

朝起きてツイッターを見ると通知があった。 大賞おめでとうございます!だと。 記事に飛んだ。…

摩撫甲介
3年前
50

逆噴射小説大賞2020 第一次&二次突破したからもう一杯酒を呑む

喰いかけのボロニアソーセージを齧りながら安スコッチをちびちびやっていると、通知があった。…

摩撫甲介
3年前
17

地獄も投げ出した家にて

 ナカモトの家の玄関は広く、すっきりとしていた。新品のスニーカーが1足だけ。起爆装置のひ…

摩撫甲介
3年前
19

牙に生え変わるとき

 まず通帳を、次に結婚指輪をフロントガラスに投げつけた途端、リョーコは閃光と轟音にやられ…

摩撫甲介
3年前
26

そしてあの子はいなくなる

 昼過ぎに玄関のチャイムが鳴った。  家事を終えたばかりのアリアが玄関の戸を開けると、黒いジャケットを着た大男が立ち塞がっていた。 「ダイモン……」絞り出すような声でアリアは言った。  茶と菓子をテーブルに置く。そばには、夫が買ってきた花が花瓶に生けられている。  ダイモンはソファに腰を静かに下ろすと、ジャケットの胸をはだけた。  アリアはそれを見た。  むき出しの皮膚に、窪みが14。うち2ツには黒い艶のない石が嵌められている。 「もう2人も……誰と誰を」 「1人目はガニア