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【夏こそ大切】車のエアコンの適切な使い方!効率よく使って快適に過ごそう

3級整備士の闇です!
第147回の今回は車のエアコンについて書いていきたいと思います。

〈車のエアコンの仕組みは家庭用エアコンと異なる?〉


ひと口にエアコンといっても、実は車のエアコンは、家庭用のエアコンとは少し仕組みが異なっています。

家庭用エアコンには冷房・暖房・除湿の3つの機能がありますが、車のエアコンには冷房と除湿の機能しかなく、暖房機能は備わっていません。

「車でも暖房は使えるのに?」と思われるかもしれませんが、車の場合はエンジンの熱を暖房に使用するのが一般的です。

電気自動車を除く、ほとんどの車はエンジンの排熱をリサイクルして車内を暖めているので、暖房機能がなくても問題ないのです。

冷房をオンにしたときだけ、コンプレッサーが作動するようになっています。

排熱をリサイクルするだけの暖房より、コンプレッサーを使って冷やす冷房のほうが、燃費が高くなりやすいため、効率的に使えるよう工夫することが大切です。

〈夏にエアコンを効率よく使うには?覚えておきたい3つのポイント〉


夏にエアコンを効率よく使うためには、押さえておくべき3つのポイントがあります。

・車内の温度を下げてから冷房を入れる
・車内の温度が上がらないよう工夫する
・外気導入ではなく内部循環を使用する

いずれもちょっとした工夫で、効率よくエアコンを使えるので、ぜひ参考にしてみてください。

・車内の温度を下げてから冷房を入れる

車内の温度を下げてから、冷房を入れましょう。

停車中の締め切った車内は、高温になっており、真夏の炎天下には60度を超えることもあります。

車内の気温が高ければ高いほど、空気を冷やすために、エアコンへの負担は大きなものになります。これは燃費悪化の原因にもなるので、すぐにエアコンをオンにするのではなく、車内の温度をできるだけ下げてから使用しましょう。

ドアを開けて換気したり、窓を全開にして外気を入れたりするのが一般的ですが、おすすめはドアをパタパタと開け閉めする方法です。

運転席もしくは助手席の窓を開けて、反対側の窓を閉めたままのドアを5回ほど開け閉めすると、うちわをあおぐ要領で車内の空気を入れ換えられます。

簡単にできるうえに、車内で暑い思いをする必要がないのがポイントです。

高温になった車内の温度を少しでも下げてから、エアコンを使用しましょう。

・車内の温度が上がらないよう工夫する

渋滞時には、車外の熱い空気が入ってこないようにするなど、車内の温度が上がらないよう工夫することも大切です。

特にアイドリングストップすると、エンジンが自動的に停止するため、エアコンは冷房から送風へ切り替わります。ぬるい風しか出なくなってしまうので、真夏のドライブが一気に過酷になります。

必要に応じてアイドリングストップ機能をオフにしておくと、冷房を保ったまま走行することが可能です。

他にも車のボディカバーやサンシェードなどを使って、停車時に車内温度が上昇しないようにするのもおすすめです。

車内の温度が上がらないように、工夫して効率よくドライブを楽しみましょう。

・外気導入ではなく内部循環を使用する

車外の熱い空気を取り込まないように、外気導入ではなく内部循環を使用しましょう。

車のエアコンには、車外の空気を取り込む「外気導入」と、車内の空気を循環させる「内部循環」の2つのモードがあります。

外気温が高い場合は、熱い空気を取り込むと冷やすのに大きなエネルギーが必要となります。

しかしすでにある程度冷やされた車内の空気を冷やす内部循環であれば、少ないエネルギー消費で済むため、効率よくエアコンを使用することが可能です。

燃費が良くなるのはもちろんですが、エアコンの冷房能力が低めの車でも、温度が下がりやすくなります。

〈車のエアコンが効かない?原因や対処法〉


車のエアコンが効かなくなる原因としては、おもに以下の3つが考えられます。

・エアコンフィルターが詰まっている
・エアコンガスの不足・漏れ
・コンプレッサーにトラブルが発生している

それぞれの原因について詳しく解説するとともに、対処方も紹介するので、エアコンの不調にお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。

・エアコンフィルターが詰まっている

エアコンフィルターが汚れなどで詰まっている可能性が考えられます。

家庭用エアコンと同じくカーエアコンにもフィルターがあり、ホコリや排気ガス、ゴミ、花粉などを吸着してくれています。

このフィルターが詰まると、エアコンの風が弱まり冷房の効きが悪くなってしまうかもしれません。

家庭用エアコンのように取り外しての清掃が難しいため、定期的に交換してキレイな状態を保ちましょう。

車の使用環境や状態にもよりますが、交換時期の目安は1年または走行距離10,000kmごとがおすすめです。

エアコンの効きが悪いなと思ったら、まずフィルターをチェックしてみてください。

・エアコンガスの不足・漏れ

エアコンガスが不足していたり、漏れていたりするのが原因の可能性があります。

エアコンガスは冷風を作り出すのに必要不可欠なので、ガス不足になると冷房を効かせられなくなります。

基本的に減らないものではありますが、長年乗っている車の場合は、運転時の振動などにより減少しているかもしれません。

また経年劣化により、ガス管に亀裂が入っている可能性も考えられます。

エアコンガスを補充すれば元通りの性能に戻るので、ディーラーやカー用品店などに依頼しましょう。

・コンプレッサーにトラブルが発生している

コンプレッサーに何らかのトラブルが発生し、エアコンが正常に作動しない可能性も考えられます。

コンプレッサーとは、空気を圧縮させる装置のこと。圧縮した気体が周りの熱を奪う気化熱を利用して、冷風を作り出すのがエアコンの仕組みです。

コンプレッサーが故障すれば、気化熱を利用できなくなるため、冷風を生み出せなくなります。

コンプレッサーは頑丈に作られているため、故障することはほとんどありませんが、コンプレッサーを動かすための電磁クラッチにトラブルが起こっている可能性はあります。

いずれにせよ自力での修復は難しいので、自動車整備工場などプロへ任せるようにしましょう。

〈車のエアコンが故障したのか確認する方法〉


エアコンの調子が悪いなと感じた際に、故障かどうか自分でチェックする方法があるので、セルフチェックしてから修理するか乗り換えるか検討してみてください。

車のエアコンが効かない場合、つい「故障したかもしれない」と不安になる方が多いはず。

しかし必ずしも故障が原因とは限りません。フィルターが詰まっているだけなど、故障以外が原因のケースもあります。

修理が必要かどうかの判断は難しいので「故障しているか確信がないから、どこに相談・依頼すべきかわからない」と、判断に迷われるかもしれません。

まずは、エアコンフィルターの掃除や交換をしてみましょう。汚れでフィルターが詰まっているだけなのであれば、すぐにエアコンの調子は元通りになります。

次にエアコンを内部循環にして、冷房が効くかどうか確認してみてください。風量を最大まで上げて、しばらく待っても冷えないようであれば、故障している可能性があります。

最後に、最低温度に設定して、冷えるかどうか確認してみましょう。

内部循環のまま風量最大・最低温度に設定してもまったく冷えなければ、内部の故障やエアコンガスの不足などが考えられます。

〈車のエアコンの修理代はどれくらい?料金の相場〉


車のエアコンが不調で、修理をお願いしたい場合に気になるのが料金。修理個所や内容によって、料金は大きく異なります。

・エアコンガスの補充:3,000円~5,000円
・ガス漏れなど亀裂の修理:2万円~3万円
・コンプレッサー故障修理:5万円~10万円
・サーモスタット故障修理:1万円前後
・ファンモーター故障修理(普通・軽):4万円~・2万円
・エアコンフィルター交換:2,000円~5,000円

ガスの補充やフィルター交換程度なら、数千円程度で済みますが、修理が必要な場合は数万円ほどかかるのが相場です。

特にコンプレッサーの修理は高額なので、古い車の場合は廃車にして乗り換えるのも視野に入れて、検討するとよいでしょう。

〈車のエアコン修理はどこに依頼する?〉


エアコンが正常に動作しない場合は、故障の疑いが強いため、業者へ点検や修理を依頼しましょう。

修理を依頼する先として「ディーラー」「ガソリンスタンド」「カー用品店」「自動車整備工場」の4つが挙げられ、依頼先によってクオリティや金額が異なります。

それぞれの特徴を解説するので、あなたに合った業者選びの参考にしてみてください。

・ディーラー

メーカーの特約店であるディーラーは、点検や修理の品質が高く安心して任せられます。

自社の車を扱うため、どこよりも構造や特徴を熟知しているのが強みです。新車であれば、メーカー保証で修理費用が無料になったり格安になったりするのもポイントです。

ただし正規パーツを使用しての修理になるため、他の業者よりも費用が高くなりやすい傾向にあります。

メーカー保証で安くなる場合や、正規品で修理して欲しい場合におすすめの業者です。

・ガソリンスタンド

街中で多く見かけるガソリンスタンドは、すぐに立ち寄れる便利さが大きなメリットです。

店舗によっても異なりますが、無料点検を行っている場合もあるので、給油のついでに簡単にチェックしてもらえます。

また修理を依頼することでガソリン代が値引きになるなど、お得なキャンペーンを実施している場合もあります。

とはいえ修理の専門家ではないので、対応範囲には限りがあります。

無料で点検してもらいたい場合や、給油のついでに故障しているかチェックしてもらいたい場合におすすめです。

・カー用品店

カー用品店は、部品の交換が必要になった場合でもさまざまな種類の商品を取りそろえているため、予算に応じたパーツを選びやすくなっています。

ディーラーとは違い純正パーツ以外で修理できるため、比較的安く修理してもらえるのが特徴です。

ただしガソリンスタンドと同様に修理のプロではないため、修理できる範囲に限りがあり、どのような状態の車でも元通りになるわけではありません。

安価なパーツを使用して価格を抑えたい方や、メーカー保証が過ぎている方などにおすすめです。

・自動車整備工場

修理のプロである自動車整備工場にお願いするのも一つの手です。修理や整備、車検などを請け負っているので、豊富な知識や経験、技術による修理を期待できます。

幅広いケースに対応可能なので、どのような場合でも安心して任せられます。

またディーラーのように正規品を使用しないで対応してくれるため、安価な費用で済むのもメリットです。

なるべく修理費用を抑えたい方や、修理のプロに任せたい方に自動車整備工場はおすすめです。

今回は車のエアコンについて話させていただきました。
ぜひまた見に来てください!



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