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イグニッションコイルの故障とは?役割とエンジン不調の原因について解説!

3級整備士の闇です!
第93回の今回はイグニッションコイルについて書いていきたいと思います。

〈イグニッションコイルの役割とは?〉

イグニッションコイルは、エンジンの点火装置の一部です。

ガソリンエンジンは、スパークプラグによってガソリンに着火させて、動力を発生させます。
そして、スパークプラグが放電しスパークを発生させるには約1万~3万ボルトの高電圧が必要です。この高電圧を発生させる部品がイグニッションコイルです。

また、イグニッションコイルはエンジンの各気筒ごとに付いています(一部車種を除く)。
つまり、軽自動車のような3気筒のエンジンなら3つ、コンパクトカーのような4気筒のエンジンなら4つのイグニッションコイルがエンジンに付いています。

イグニッションコイルは、それぞれの気筒ごとに高電圧を発生させて、スパークプラグに電気を送る役目をしています。

〈イグニッションコイルの役割:スパークプラグに電気を送る〉

ガソリンエンジンを作動させるための重要な3要素があります。

  • 良い圧縮

  • 良い火花

  • 良い混合気

この中の一つでも欠けるとエンジンは調子よく動くことが出来ません。

そして、イグニッションコイルはこの「良い火花」を作り出しています。
実際に火花を作り出しているのはスパークプラグですが、スパークプラグが仕事を行うために必要なのが、イグニッションコイルとなります。

〈イグニッションコイルの役割:バッテリー電圧を昇圧させる〉

乗用車で使用しているのは12Vのバッテリーです。
自動車の各装置は12V、もしくは12Vよりも低い電圧で作動します(ハイブリッド車など一部例外を除く)。

前述した通り、スパークプラグは1万~3万ボルトという高電圧で作動します。
雷の原理と同様に、高い電圧を放電することでスパークを発生させ、ガソリンに点火を行う為です。そこで、イグニッションコイルが12Vの電圧を昇圧し、1万~3万Vの高電圧を作り出します。

イグニッションコイルが壊れると、スパークプラグに電気を送ることが出来ず、様々なエンジン不調を起こします。

〈イグニッションコイル故障で起こる車の症状〉

イグニッションコイルが故障すると、以下の車の不調が現れます。

  1. 警告灯点灯

  2. エンジンが掛かりづらい・掛からない

  3. アイドリング不調

  4. エンジンの振動が大きくなる

  5. 加速不良

  6. エンジンの回転数が上がらない

ここでは上記6つのイグニッションコイルが故障すると起きる不調について詳しく解説していきます。

〈イグニッションコイル故障の症状1.警告灯点灯〉

エンジンに重大な不具合があるときには、メーターにチェックランプが点灯します。

イグニッションコイルが故障すると、エンジンの1つの気筒が正常に作動しない為、警告灯が点灯します。

警告灯が点灯したら、まずは安全な路肩に停車(削除)して、整備事業者等に連絡しましょう。

〈イグニッションコイル故障の症状2.エンジンが掛かりづらい・掛からない〉

イグニッションコイルが故障すると、エンジンが掛かりづらかったり全く掛からないといった症状がでます。

これはエンジンの中で、1気筒が正常に作動していない為です。

3気筒のエンジンが主流の軽自動車等は、3気筒のうち1気筒が作動しなくなるため、エンジンが掛からなくなります(掛かる場合もあります)。

6気筒のエンジンなどは、1/6の気筒が作動しなくても、残りの5気筒が作動しているとエンジンが掛かります。しかし、1気筒が正常に作動しなくなる為、エンジンの調子は悪くなります。

〈イグニッションコイル故障の症状3.アイドリング不調〉

アイドリング不調はいくつか種類があります。イグニッションコイルが故障すると以下の症状が起こります。
1.アイドリング回転数が低くなる
2.ハンチングする
エンジンのアイドリング回転数が低くなる
エンジンの中で1気筒以上が、正常に作動しなくなるため、アイドリングは低くなります。
軽自動車などは、エンジンが勝手に止まりそうになるほど(もしくは止まってしまうほど)アイドリングが低くなります
エンジンの回転数が低くなると走行するのが難しくなるので、早急に交換する必要があります。
セイビーでは出張で部品を用意して作業にお伺いするので、突然のトラブルでも対応可能です!

〈エンジンがハンチングする〉

エンジンのハンチングとは、アイドリング中にエンジン回転数が上がったり、下がったりする現象のことです。

アイドリング回転数が下がりエンジンが止まりそうになると、コンピューターが「危ない! 」と判断して、エンジン回転を上げる補正をします。

エンジン回転が上がったら、コンピューターは補正をやめてしまいます。するとまた、エンジン回転数が下がってしまい、再び、コンピューターがエンジン回転数を上げる補正を行います。

これらの繰り返しで、アイドリング回転数が上がったり下がったりを繰り返します。

〈イグニッションコイル故障の症状4.エンジンの振動が大きくなる〉

自動車のエンジンは、振動しないように設計されています。

これはバランスシャフトと言われる部品がエンジンの中に組み込まれており、ピストンの上下運動と反対方向に動くことで、エンジンの振動を打ち消している為です。

しかし、イグニッションコイルが故障すると、エンジンの中のバランスが狂ってしまい、エンジンから振動が発生します。

軽自動車などは、車体全体が震えるくらい大きく振動します。

〈イグニッションコイル故障の症状5.ガタガタして加速しない(加速不良)〉

イグニッションコイルが故障すると、アクセルを踏み込んでも加速しなくなります。
エンジンの1気筒以上が正常に動いておらず、パワーが出なくなる為です。

また、アクセルの踏み込みと車両の加速までに、タイムラグがでます。
エンジンの吹け上がりも通常より遅くなります。

アイドリング時のエンジン振動と走行時の加速不良を感じたら、点検やイグニッションコイルの交換をするようにしましょう。

〈イグニッションコイル故障の症状6.エンジンの回転数が上がらない〉

イグニッションコイルが故障してしまうと、__エンジン内のガソリンを点火することが出来なくなるので、エンジンの回転が上がりません。

故障により点火不良が起きている状態だと、アクセルを踏んでもエンジンの回転数が上がらなかったり、回転数の上がり方がおかしくなってしまいます。

イグニッションコイルの故障により、エンジンの回転数が上がらない状態になってしまうと正常に走行することが難しいため、このような症状がでたらイグニッションコイルの交換が必要です。

〈イグニッションコイルの寿命・交換目安(期間と走行距離)〉

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