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カーエアコンの仕組み|どうやって冷やしたり温めたりするの?

3級整備士の闇です!

第76回の今回はカーエアコンの仕組みについて書いていきたいと思います。

車に乗る際に必須な機能といえば、カーエアコンですよね!
正に今の真夏の季節には冷房が、そして冬には暖房が無いと運転も大変ですよね。
カーエアコンで車内温度を適温を保つ事で、より快適にカーライフを楽しむ事ができます。
今回はそのカーエアコンの仕組みに関してお話致します!

〈カーエアコンが冷える理由〉

カーエアコンはどのような仕組みで冷風を出しているのか?簡単にご説明致します!

冷房には『エアコンガス』が必須となりますが、エアコン機器の中をこの『エアコンガス』が循環していて、『冷媒(れいばい)』とも呼ばれています。
まず、車にあるエアコンガス(冷媒)『 コンプレッサー』という機械で圧縮します。

エアコンガスは圧縮される事で一旦約70℃~80℃程『高温の半液体』になるのですが、「冷房なのに高温!?」と思いますよね。

☝実はここがポイントで、みなさんは注射をするときにアルコールで対象部位を拭かれたことはないでしょうか。
その際、アルコールを使用された箇所がヒンヤリとした経験があるかと思います。
これは、液体がまた気体に戻る際に周りの熱を奪っていく事で冷たく感じているからです。
この現象を『潜熱(せんねつ)』というのですが、カーエアコンの冷房はこの原理を利用しており、エアコンガスを高圧高温にするのは潜熱過程の一つなんです。

高圧高温の半液体になったエアコンガスは、次に『コンデンサー』という機械を通りながら、コンデンサーについているファンで取り込んだ外気に触れさせる事で熱を放出し、温度を下げ、約60℃程液体に変わります。

高圧低温になったエアコンガスは『レシーバー』という機械の中に一旦蓄えられ、ここで不純物等も取り除きます。

その次は『エキスパンションバルブ』によって高圧低温のエアコンガスを一気に膨張させる事で高圧から低圧になり、低温低圧の霧状になって『エバポレーター』へ噴射されます。
この噴射時には約10℃程にまで温度が下がります。

⑤『エバポレーター』『熱交換器』とも呼ばれています。
ここに噴射されたエアコンガスは、エバポレーターの周囲の熱を奪って気化してエバポレーターを冷やします。
そこに『ブロアファン』によって取り込まれた車内・車外の空気がゴミやホコリをフィルターで除去された後、冷やされたエバポレーターを通過する事で冷風となり、車内へ涼しい風を送り込むのです。

カーエアコンの冷房を使用する際には『A/C』というスイッチをONにする事で①~⑤が稼働しますが、この際にのコンプレッサーを動かす為にエンジンの力が必要となる為、その分ガソリンを使う事になります。
また、バッテリーからの電力供給も必要となるので、夏場のバッテリー上がりは冷房使用による蓄電不足が原因となる場合が多いのです。

〈カーエアコンが温まる理由〉

次は暖房の仕組みについてご説明致します。

暖房では、エンジンの熱を利用します。
エンジンが稼働していると熱が発生しますが、それを『冷却水』で冷やします。
その冷却水に風を当てて温風を作り出し、車内に温かい風を送っています。

冷房とは違い、暖房は不要な熱を利用して温風を作り出すとってもエコな方法なのでA/Cスイッチは必要ありませんし、必要以上に燃費もかからないのです。

ただ、温風を作る為の風は外気を取り込んでしまうと、冷たい外の風ではなかなか暖まりませんので車内の空気を取り込むようにしましょう。
そしてエンジンの熱を利用するという事は、エンジンが温まるまでは温風にならないという事になります。
どおりで真冬の寒い朝、エンジンをかけて直ぐには温風が出てこない訳ですね。

また、冬場は結露も付きやすいですよね。
この時にはA/CスイッチをONにする事で、冷房の除湿機能が働く為結露を防ぐ事ができます

〈まとめ〉

いかがでしたか?
カーエアコンの冷房と暖房では仕組みが違うんですね!
もしも、「冷房が効きにくい、何だか臭い・・・」と感じたら、先ずはエアコンガス、エアコンフィルター、エバポレーターの汚れチェックをオススメします!
エバポレーターはカーエアコン機器の中にあるので、プロの整備士さんにチェックしてもらうのがいいでしょう。

今回はカーエアコンの仕組みについて話させていただきました。
ぜひまた見に来てください!

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