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「1位思考」by 猿渡 歩

アンカー・ジャパンのCEOである著者の初めての著書で、後発でも圧倒的速さで成長できる秘訣を書いた本とのことであるが、書かれている内容は意外と基本的なことだった。

著者は、元々コンサルタント会社で働いていたこともあり、コンサルタントの思考方法を活用していると感じた。特に「因数分解の習慣」の章では、因数分解による課題の分解(売上=販売単価x販売数量といったようなこと)をフレームワークを使って行うこと、仮説思考を身に付けること、バックキャスティング思考を身に付けること、等はコンサルタントの基本技術だ。

書かれていることは正直目新しいものはないが、そういう基本的なことを愚直にスピードをもってやっていくことが重要なのだろうか?この本は、会社の経営戦略を書いているというより、実はビジネスパーソンとして上手にキャリアアップしていくため、如何に競争力をつけていく必要があるのかという個人の戦略の本のような気がした。

最近もこうした日本のビジネスパーソンが書いた本を読んだが、どうも薄い気がしてならない。一方アメリカのそうした本は、ビジネススクールの先生あたりが、理論と実証をベースに実践に向けたビジネス本を書いているケースが多く、内容的にしっかりしたものが多い気がする。

この本も評価としては、4.5/5です。

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