「THE BISINESS REINVENTION OF JAPAN」by ULRIKE SCHAEDE
この本は、日経新聞の土曜日に掲載されているコラムの「リーダーの本棚」に、2019年9月18日の翁百合氏(政府税調会長)の記事で紹介されていた。
翁氏のコメントは、「最近読んだ『The Business Reinvention of Japan』は、日本をよく知っている米カリフォルニア大のシェーデ教授の企業論です。彼女とは30年来の友人でもあります。よくある日本企業ダメ論ではなく、終身雇用など日本の企業文化が決してマイナス面だけでない点を指摘し、日立やAGCなどの事例も盛り込みながら、国際的な環境変化の中で日本企業が進めている改革について論じています。」
一般的には失われた20年(30年)と日本経済の停滞を批評することが多いが、著者によれば、社会の安定・国民の平等に他の国対比重要視する日本が社会・経済の変革を行うにはそれだけの長期の時間が必要であったと言う。
日本は、そうした社会的・経済構造的変革の成果が徐々に出てきて、同時に企業のガバナンスも進展し、海外からの投資家からの日本企業に対する見方も変わってきている。
最終製品では日本ブランドは衰退したように見えても、それを製造する機械や原材料のニッチ分野での日本企業は確固たる地位を築いていることからもこれまで培ったモノづくりの技術力を活かせば、今後の日本の発展は期待できるのではないかと言う。
日本の社会的・経済的構造の特徴をきちんと説明すると共に、変革している日本企業について詳しく解説しており、日本人として勇気を与えられる内容だった。多分、翻訳本はまだ出ていないのは残念だ。
評価は、5/5です。
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