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「赤と青のガウン」by 彬子女王

最近本屋に行くとこの本が平積されているので気になっていた。ちょうど天皇陛下の「テムズとともに」という本も再版されているので、その流れなのかと思っていた。正直期待を大きく上回る出来で、しっかりした文章力とユーモア力を感じる本当に面白い本だった。

この本は、2014年に単行本で出版されていたが、昨年ある人がX(旧ツイッター)でこの本の面白さをつぶやいたことから、バズったらしく、それが著者に耳に入り、著者が出版社に交渉して文庫本での再版が決まったという経緯らしい。

この本は、著者がオックスフォード大学のマートンコレッジに、学習院大学時代の1年間、そして学習院卒業後の5年間博士課程の学生として留学した、その間に経験したことをつづった留学記である。

マートンコレッジといえば、天皇陛下が留学していたということで、今年皇后さまと一緒に訪問している映像がニュースで流れていたので、より親密感を持ってこの本を読むことができた。

また、この留学記を書くことは、亡くなられた父である寛仁殿下との約束だったようで、皇室の一員として長い間海外で学ばせてもらうということで、国民に対してきちんと感謝の気持ちを込めて、記録として留学記を書くことが留学の条件だったとのことでした。

博士号をとる苦労を読むと、特別待遇ではなく、本当にガチで取得したんだなあと感心したり、皇室の一員として日本ではありえないことも海外ではいろいろ経験されていることに興味を覚える内容だった。

エッセイとしてもかなり質の高い本だと思った。評価は文句なく5/5でした。

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