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「新解釈 コーポレートファイナンス理論」企業価値を拡大すべきって本当ですか by 宮川壽夫 

この本はコーポレートファイナンス理論の基礎をオーソドックスな教科書で学習した人が、「こういう見方、考え方もありますよ」と別の切り口で教えてもらうための本のような気がした。そういう意味での「新解釈」という題名が付いているのだと思う。

同じく表紙に書かれている「企業価値を拡大すべきって本当ですか」というのはどういうことかと思ったが、内容を読んで納得した。つまり、企業価値の内訳である株主価値は、株価X発行株数で表せるが、その株価は将来に期待するフリーキャッシュフローの現在価値の総和であるので、現在の株価は既に将来の収益も織り込んでいると解釈できる。よって、企業価値はそう簡単に拡大できるものではなく、それを実現するためにはこれまでの延長線上にないイノベーションが必要になってくるが、それは簡単にはできないのが現実ということである。

加えて、別の切り口から企業価値を高めるためのマネジメントのやり方の説明では、定番の「理念」「あるべき姿」「ビジョン」「ギャップ」「戦略」「対応策」という内容で解説されている。

評価は、5/5でした。

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