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「問題発見力を鍛える」 by 細谷 功

今の日本経済が停滞しているのは、問題解決力を重視してきたためとこの本は言っている。先駆者である欧米諸国が直面している問題を効率的に解決することで日本は発展してきたが、自分が一旦先頭に立ってしまうと何をやれば良いか判断つかず、結果、米国からは大きく引き離されてしまったといえる。その状況を打破するには、問題発見力を鍛える必要があると言っている。

今のようなVUCAのような時代に求められるのは、自ら何が問題かを能動的に考え、その中で解決策を試行錯誤し、新たな問題点も発見して行く過程で発見していくことだと言っている。また、その試行錯誤のサイクルは早く回すことが重要であると主張している。

「無知の知」であることが非常に意味を持ち、自分が例えその分野に詳しいとしても、他の人たちからの意見を受け入れるだけの柔軟な発想をする中で、それまで気が付かなかった問題を発見することも可能となるという意見には、納得感がある。

自分の会社にも、「無知の無知」の管理者で、自分の考えは絶対的に正しいと信じ込み、他人の意見を決して受け入れようとしない人間がいる。その結果、部下からは「パワハラ上司」と思われ、他部署の人間からは、「意見を言っても無駄」、と見捨てられた状態になっている。せっかく、自分で気がつかない視点でのアドバイスをもらってもそれを発見できない人間は、この本を読んで考え方を直すべきと思う。

本の評価は4/5です。

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