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「天才シェフの絶対温度」(HAJIME 米田肇の物語)by 石川拓治

大阪の肥後橋にあるフランスレストラン(今はイノベイティブ)のHAJIMEのオーナーシェフである米田肇氏の物語である。

この文庫本が出版された2017年に購入していたが、積読になっていたものの、「コンサルが読んでる本 100+α」で紹介されていたので、「読まなくっちゃ」と思って、今回読んだ。

HAJIMEは、2009年ミシュラン・ガイドの京都・大阪版が初めて出版された時に、開店2年未満のレストランがいきなり3つ星レストランに選ばれて、世間をあっと言わせたのは個人的にも記憶にある。

その米田シェフが、どのようにして料理人となり、どのように修行し、どのようにして今のレストランを開いたかについて、非常によくわかる本である。文章は、大げさな表現はなく、淡々と米田氏とはどういう人物かということを緻密に描写している。本当に面白い本だという感想だ。

レストランは、2012年に1日1回の営業スタイルに変更すると共に、値段もそれまでの2倍に変更するなど、大転換を図ったが、同時にミシュランの格付けも3つ星から2つ星にランクダウンしてしまった。その後、2017年に再び3つ星に返り咲き、現在も3つ星を維持している。

この本を読むと、一度HAJIMEに行って米田氏の世界観を感じながら、料理を食べてみたいと思うが、そもそも予約が取れるのだろうか?、仮に取れたとしても料理だけで、一人48,900円というなかなかの値段で、それなりの覚悟がいる。

本の評価は、間違いなく5/5です。



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