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「霞が関の人になってみた 知られざる国家公務員の世界」by 霞 いちか

著者は民間から出向するという形で官庁で働いた後、正式に国家公務員となってどこかの官庁の職員になった人である。元々民間にいたこともあり、官庁での働き方に関して、違和感やすばらしさを冷静に見られるのだと思う。

最近こういう内幕物の本も多く、この前はメガバンク(みずほ)の行員の内幕物を読んで、読書感想をここに書いた。

この本を読んで、官庁職員は大変だなあと思ったのは、国会での議員先生の質問に対する答弁の原稿をたった半日程度(それも深夜中心)で作成しなければならないという国会対応である。

本来本番の2日の正常な勤務時間内までに質問を提出するきまりがあるらしいが、それを守る議員がほとんどおらず、且つ抽象的な質問のため、その真意を確認するためにその議員先生に聞きにいかないといけない等非効率極まりない状態。

こんなつまらないことに神経を擦り減らしと睡眠時間を削るのが当たり前という世界では、優秀な学生は就職を躊躇うはずである。日本国家の戦略を担う優秀な人材をもっと有意義な仕事で使わないと、日本の将来も本当にあぶない気がする。

普段あまり聞けない官庁で働く人の話が聞けて面白かったので、評価は5/5です。


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