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「ESG投資で激変!2030年会社員の未来」by 市川祐子

最近、SDGsとかESGとかについて言われることが多く、当社でも取締役の人がSDGs推進を表すカラフルな円形のバッジをスーツに付けているが、SDGsとESGと何が違うのか良くわかっていなかった。

この本を読んで、ESGは何も利他主義的な綺麗ごとを言っているのではなく、株主から見て企業が企業価値を向上させるその切り口として使っているのが、ESGであると説明されて、すとんと腹に落ちた。

環境問題はSDGsでも対象となっているが、Sについて最近は特に「人への投資が重要である」と言われ始めている。日本は国だけでなく企業においても人的資源への投資が他の先進国対比過少となっており、これがイノベーションの欠如や働く意欲の低下につながっている。

こうした状況を踏まえ、政府もようやくリスキリングの重要性を叫び、新たな施策を推進しようとしているが、高齢化が加速度的に進展する状況下、よりスピーディーに人材開発を行うことができるか、その真価が問われていると思う。

この本の最後に、著者とメルカリ会長の小泉文明氏、及び翻訳家の関美和氏との対談がそれぞれ掲載されているが、この対談もなかなか面白かった。小泉氏は、「生きているのにチャレンジしなければもったいない」というメッセージを出し、関氏は、「やりたいことがあったら、無計画にまず一歩を踏み出してみること」というメッセージを出している。

投資について、素人向けに書かれた内容で読み易いが、それでいて「なるほどね」と納得感を得る内容となっている。著者の専門がIRなので、難しいことを素人にもわかりやすく、簡単に説明するという能力が優れているのだと感心した。最近読んだ本の中で一番面白かった。

評価は、当然5/5です。

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