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「THINK AGAIN」by アダム・グラント

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筆者は、過去「GIVE & TAKE」「ORIGINALS」というベストセラーを出してきて、その第3弾がこの本である。自分は、以前の2つの本を読んでいないので、それと比べて今回の本がおもしろいとか、どうかという感想を述べることはできない。

この本の言いたいことは、今のような不確実性が高い社会においては、従来の考え方をしていては、求められる社会的・経済的な解決はできないので、自分も発想を変え、相手にも再考を促すことが重要ということ。そして、その実現のためには「学び、再考をし続ける社会・組織を創造する力」が求められるということ。

本の中ではいろいろな実例を用いて、筆者の言いたいことを解説しているが、その中でも印象的だったのは、以下2つ。

1つ目は、エンジニアとしての才能が若いことから優れていたマイク・ラザリディスが設立したブラックベリーの会社が、過去の成功と考え方に固執し続け、AppleのiPhoneへの対抗が出来ずに敗れ去った事例。iPhoneが出るまでのブラックベリーは本当にかっこよかった。当時、日本のCitibankに勤めていた友人と食事をしたとき、ブラックベリーを会社から持たされて、会社から出てもメールが飛んでくる、とやや自慢ぽく言っていたのを思い出す。
今や自分もブラックベリーではなく、iPhoneを会社から与えられ、会社を出てもTeamsのチャットが飛んでくるが、着信音は切って対応している。

もう一つは、人間自分の欠点や失敗を指摘されてもそれに柔軟に対応することが重要だという話で、ある実験で自分の欠点を徹底して言われた人間がそのときどういう反応や態度を示したかを記録し、その後その人物がどういう人生を送っているかについて調査した。その結果は、欠点をいくら言われても、むしろ歓迎した人間は成功した人生を歩む一方、欠点をトコトン指摘されたことに対し、最も徹底した批判と不満の態度を示した人間は、のちに有名な爆弾犯人になったとのこと。その名は、ユナボマー。

評価は、5/5です。



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