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「三流シェフ」by 三國清三

「オテル・ド・ミクニ」のオーナーシェフの三國さんの伝記。
昨年末をもって「オテル・ド・ミクニ」は閉店されたらしい。
現在三國さんは67歳だが、70歳で新しい店「三國」(7~8席程度の小さい店を予定しているとのこと)を開店させ、自分が本当に作りたい料理を作るために、グランメゾンの「オテル・ド・ミクニ」を閉店したとのこと。

この本でも少しコメントしていたが、やはりミシュランの星を取れていない点は、本人にとっても何かやり残したものがあると考えているのではないかと思う。ミシュランの星を取れなかったのは、独創性がないと評価されたためらしいので、新しい店ではグランドメゾンではできなかったオリジナリティを追求するのではないかと想像している。

「オテル・ド・ミクニ」には家内と3回行った記憶がある。30数年前にパリから帰国して、当時フランスかぶれだったので、結婚して間もない妻と1年間に、当時有名だった「オテル・ド・ミクニ」「クイーンアリス」「シェ・イノ」「アピシウス」に食べに行った。その中で、一番気に入ったのが「オテル・ド・ミクニ」で前述の通り3回行った。

当時は、開店して数年目だったが、いつも満席で、店の雰囲気も料理も最高だった。ちょうどバブルの時代で、社会全体が浮かれていた時代だった。
残念ながらあれから全く「オテル・ド・ミクニ」に行く機会もなく、閉店されてしまった。子供が小さいと夫婦2人でフランスレストランに行く機会もなく、その後自分の東京での単身生活や大阪への引っ越しで、そういう機会がなかったのもやむを得なかったが、正直もう一度行っておけばよかったと思う。

本は大変面白かったので、5/5です。


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