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「脱・自前の日本成長戦略」by 松江英夫

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この本で筆者が言いたいことは、本の題名と帯のキャッチフレーズで言い表していると思う。今の日本の経済や社会の状況を「タコツボ社会」と表現している。「タコツボ社会」では、それぞれのグループの世界観で物事を動かすだけで、他との連携を図ることもなく、小さい世界で進歩も発展もない状況となっている。

その「タコツボ社会」を打破するためには、企業、雇用、教育に蔓延っている自前主義から脱皮する必要があると説いている。また、企業変革、イノベーション改革が遅れているからといって、単純に欧米流のものをもってきて、はめ込むのではなく、これまでの日本流の強みも活かしながら、欧米流も参考にすることを提案している。

また、本の最後に「個人の脱自前」の重要性を説いている。その文章を引用すると、「今後は集団の中で一律ではなく、個別で”強みを磨く”ことがより重要になってくる」「これからの時代は、今までのようなマイナス(弱み)を底上げするよりもプラス(強み)をより伸ばすことを優先するという考え方が大事になってくる」「個人の”心持ち”、マインドセットにおいては、評価は相対、成長は絶対という捉え方が大事」(補足:いくら努力しても評価は相対的に行われ、自分が思ったような結果にはならないかもしれないが、自分の成長にとってはその努力は絶対無駄にならないので、努力し続けることが大切だということ)、です。

本の前半で、実際動き始めている企業の例が紹介されているが、我々日本人も本当にそろそろ各自ができることを意識して変革する必要があると思うし、まず身近なことからやってみることが重要だと思った。

評価は、5/5です。

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