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⑧ 好きなXJAPANの曲:Vanishing Vision 〜Blue Blood編

よくXJAPANが好きだと言う話をすると、大体「何の曲が好きなの?」って聞かれるんですけど、XJAPANをミュージックステーションとかでしか知らない人にとっては紅くらいしか知らないことが多いんですよね。

本当に好きな曲を並べると「?」って顔をされるので紅が好きといつも答えてます。(紅も勿論好きですし全曲好きです)


XJAPANをよく知らないけどどんな曲があるのかなって人は以下の記事を読むと大体どんな曲風か分かるかと思います。良い記事です。

XJAPAN入門 一般常識として知っておきたい6曲
 http://meetia.net/music/xjapan-introduction/


今回はあまりTVとかでは取り上げなかったり最近ライブでも演奏されないけど好きだなって曲とかをアルバムごとに書いていきたいと思います。

今回はX時代より「VANISHING VISION」と「BLUE BLOOD」からです。

1,VANISHING VISION

XJAPANがまだインディーズの頃の1988年に出したX初のアルバム「Vanishing Vision」

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YOSHIKI自身が立ち上げた会社「エクスタシーレコード」からレコードで発売され、後にCDでも発売されました。

紅の英語ver.も収録されてます。


インディーズ〜Blue Bloodの辺りはスラッシュメタル(曲のスピード感を重視したメタル)の傾向が強いように感じます。

インディーズで大きく活躍していたXの初のアルバムということもあって、全曲通して各メンバーのテクニックが前面に押し出されています。

特にI’ll kill youAliveは必聴です。

I’ll kill youはまさに「過激」を表したような曲。狂気の塊みたいなものです。

この曲自体はYOSHIKIとTOSHIがバンドを組んでいた高校生の頃にYOSHIKIが初めてオリジナルで作曲したものが元となり、活動をしていく中でアレンジが加えられこのアルバムに収録されています。

1985年にはX初のシングルとしてリリースされました。(ジャケットがグロいので興味とグロ耐性のある方は自分で検索してみてください)

X楽曲の中でもトップレベルで速い疾走感のある曲で、特にYOSHIKIのドラムとPATAのギターソロはまさに無敵、怖いもの無しと言わんばかりのもの。

荒々しく疾走するようで、テンションを上げていきたい時にピッタリの曲です。


Aliveはピアノソロから始まるバラード。

「心の闇の中を彷徨っている、今自分はどこを歩いているのか、誰か教えてくれ、生きる意味は?俺の命はこんなものなのか?」
というYOSHIKI節炸裂の曲です。

とにかくボーカルの音程が高い。
TOSHIのしゃがれたハイトーンによる悲痛さがこれでもかと伝わってくる。

曲が進行するにつれて調もどんどん上がっていく。
恐らくTOSHIは収録時20代前半でしょうけど、よくこんな高音が出るなと。この狂気はTOSHIにしか出せない。

余談ですがYOSHIKIはよく生きる意味を問いかける歌詞を書きます。
これは幼少期に自殺してしまったお父さんのことがあるからだと考えられます。呉服屋として働き、息子のYOSHIKIを可愛がっていた父、どうして自殺してしまったのか、何が原因?生きるって何?、というとこから来ているのでは、という私的見解です。


2,BLUE BLOOD

Xが1989年にCBSソニーからメジャーデビューアルバムとして出した2枚目のアルバム

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CDと共にCBSソニー最後のLPも発売されたそうです。
Xのメジャーデビューは、昭和から平成へと時代の転換期であったと共に、レコードからCDへの変化の時代でもあったんですね。

メジャーデビューアルバムでありながら、オリコンの売り上げとしてはバンド最多の100週以上のチャートインを記録し、80万枚以上を売り上げました。

インディーズの頃から「たけしの元気が出るテレビ」などのバラエティ番組に積極的に出演してその知名度をどんどん上げていった努力も売り上げに貢献したのがヒットの要因の一つでしょう。    当時のロックバンドは硬派であれという風潮が強かったので当時の音楽評論家からは、バラエティ番組に出るなんてもってのほか、ロックのイメージを下げないでくれという批判もあったそうです。

ロックバンドがバラエティ番組に出るのは今では普通のことですが、Xが切り開いていった境地の一つでもあると言えます。


このアルバムで気に入ってるの曲はCelebration Rose of Painです。

X の作曲は主にYOSHIKIによるものが多いですが、Celebration はギターのHIDEが作詞作曲を務めた曲です。

HIDEの手がけた楽曲はYOSHIKIの過激で重厚な曲風とは異なり、とてもポップで自由な曲風が特徴です。
Xのアルバムには大体1,2曲ほどHIDEの曲が入っています。HIDEの曲によりアルバムにアクセントが加えられ、アルバム全体の完成度がより高くなります。

Celebrationの歌詞はどこか退廃的、
真面目に生きるのなんて面倒じゃない?
もっと叫ぼう歌おうこの自由を祝おう!
といったHIDEの醸し出す奔放さ、普通の人とは違う感性がよく出ています。

この曲のコンセプトは「シンデレラ」ですが、実際にHIDEとTOSHIによるPVでは、HIDEが魔法使い、TOSHIが運転手、YOSHIKIがシンデレラ、TAIJIが外国人部隊と共にハーレーダビッドソンに乗って殴りこみする人、PATAは酒を飲む通行人というものとなっていて、XのPVの中では異質でありながら映像作品として面白いです。

ちなみにこの時のシンデレラYOSHIKIはファンの間で「姫」とも呼ばれ、フィギュア化もされています。

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続いてRose of Painですが、Celebrationと打って変わってクラシック色の強い作品です

パイプオルガンとギターでバッハの小フーガト短調のテーマから曲が流れていく、このアルバムの中で最長である12分の壮大な曲です。

曲のコンセプトは、YOSHIKIがタイトルと表紙絵に惹かれて購入した澁澤龍彦『世界悪女物語』の中で描かれている、16世紀ハンガリー王国にその名を轟かせた大量殺人者、「血の公爵夫人」の異名を持つ貴族エリザベート・バートリ。

She will kill to make herself more beautiful“という歌詞にもあるように、若さと美しさを求めて生き血を求めたとの逸話もあり、吸血鬼伝説のモデルともなった人物です。

曲全体を通して狂気じみた歌詞が特徴的で、バッハの小フーガト短調のテーマの後には6/8拍子の少しゆったりとしたメロディーが続くと思いきや、テンポアップし4/4拍子で疾走感と狂気が増すという展開になっています。

“In eternal madness we live. Even if it was just a dream,  now pain, nothing but PAIN!
(終わりのない狂気を生きる。これがもしただの夢なら、今は苦しみ、苦しみ以外何もない!)
というように、美しさと若さを求めたエリザベート・バートリが避けることのできない老いという狂気、苦しみに怯える様子がわかります。

Blue Bloodはメジャーデビューアルバムではありますが、その完成度の高さから現在でもリマスター版が発売されるほど高い評価を得ています。


Vanishing Vision とBlue Blood の時点でXの原型は既に完成されていたと言っても過言ではありません。
ここから伝説は始まりました。


次回はJealousy 〜 Singles編です。









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