⑳ ひとり‐ご・つ【独り▽言つ】《名詞「ひとりごと」の動詞化》
新生活が始まってひと月経った。
数ある福祉分野の中でも正直殆ど興味のなかった児童福祉の現場だが学ぶことが多いのはもちろんのこと、仕事というより毎日子供と遊びに職場へ行ってる感覚なので結構楽しい。
子供とサッカーやキャッチボールなどをやると筋肉痛が辛いがそこはしょうがない。
多分介護とか行ってたらまたそこでも筋肉痛にはなっていただろう。
今感じている筋肉痛は良い筋肉痛
しっかり身体を動かした気持ちのいい痛み
初任給もそれなりに貰えた。
それなりとは言っても実家暮らしで無趣味だと家にお金を入れても特に使い道がなく貯金するしかない。
勤務後にお菓子とか買ってる
24時間シフト制の勤務なので朝早かったり夜遅かったり時間は変則的だけど、ちゃんと定時退勤させてもらえる+休みもちゃんとあるのでリフレッシュは出来ている。
公的機関というのもありむしろ残ってると帰れと催促される
仕事はやりがいがあるし勉強することも面白い。
だけど心の中にモヤは残る。
何か他にやりたいことがあったんじゃないか
コロナ禍で考える時間が増えた結果やりたいことが色々浮かんできた。
浮かんできたやりたいことについては、正直コロナ以前にやる時間を作ることは出来た。
何故作らなかったか。
吹奏楽があったから
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今日の勤務は早い時間に終わったので母校の高校の定期演奏会を途中からになってしまったが聴きに行った。
自分が現役の頃よりも人数が増えていた。
もう面識が無い世代ではあるが皆楽しそうに演奏していた。
楽しそうではあったが、楽しくはなかった。
自分が惨めに思えてしまった。
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2020年度、コロナに対して慣れが出てきた頃には様々な演奏会が感染対策を行った上で開催される中、練習はおろか部で集まることも出来ずに大学の吹奏楽部を引退した。
活動休止となった最初の頃には演奏・練習したい気持ちが溢れ出ていたが、就活や卒論に追われる中そんな気持ちは薄れ半ば諦めも感じていた。
最後に楽器をケースから出したのはいつだったか。
多分3月後半くらいだろうか
4月は触ってすらいないはず
そんなことすらちゃんと思い出せないし気にも留めなかった。
昔は楽器に対して情熱と誇りがあった。
小学生の頃から楽しくやってたし部活以外でも大会に出た。
楽器名+名前で検索すればいくつか大会の結果が出てくるくらいにはやってた。
日本一だって獲った。
大学以外は弱小校だったが仲間とやる音楽は楽しかった。
だけどたった1年で情熱は冷めて誇りは錆び付き投げ捨てられている。
心から吹奏楽が消えつつあった。
社会人になってもやりたい気持ちがなかった訳ではない。
ただコロナで居場所を奪われる経験をした後だと何処かに所属することが怖くなった。
社会人バンドなんか尚更だ。
ちょっとした理由で出来なくなることだってある。
そんな不安に駆られて楽器に触りたくなくなっていた。
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音楽をやってて悲しい思いをするならばやらない方がいい
今選んでいるこの選択肢に後悔する時がきっと来るとは思う。
だけどそれは結果論であって今の自分には必要な選択である。
やりたいことはあった、けどやらなかった。
その選択に疑問を抱くのも今の生活における満足度になんとなく不足があるからだ。
またいつか楽器を吹くことに楽しさを感じられる時が来るとは思う。
その時の気持ちを後押し出来る自分になれることを願う。
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幸せな時間、軌跡
思い出の中の私
けど既に他人みたい
あの時の自分じゃない
変わってしまったと
誰かが言うだろう
前へと進む度
だけどもう、遠慮なんていらない
誰の定義でもない
私であれ
未来なんて実はどこにもない
現在だけが存在の証明
Dye the sky in my hue.
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THE IDOLM@STER SHINY COLORS
GR@DATE WING 01
「Dye the sky.」より一部引用
https://www.lantis.jp/shinycolors/releaseinfo/release_LACM-14982.html
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