機材紹介(モジュラーシステム編)


概要

 前回はスタンドアロン機について書いた。

 今回は自分のモジュラーシステムについて。
 手持ちのモジュールについて整理することで改めてシステム全体を理解する足掛かりとしたい。また、前回に続くうちの子見て見て的な思惑もある。

まずはどーん


仮称:Tape & Microsound & Spectral Music Machine
仮称:便利箱

 はい、こんな見た目。かっこいいですねえ。自己満足ですが、せっかくなので詳しく見ていきます。

Tape & Microsound Music Machineに憧れて

 元々ですね、モジュラーシンセサイザーを始めるにあたって、最初から好きなモジュールを気の向くままに買うよりも、参考になるワンパッケージのシステムから抜いたり挿したりする方向で行こうかなと思ったんです。色々探す中、心惹かれたのが見出しにもあるMake NoiseのTape & Microsound Music Machine。

 何が好きだったかというと、

 Tape & Microsound Music Machine は外部のサウンドを取り込み、新しいサウンドへと生まれ変わらせることに特化したステレオ・モジュラー・システムです。現代音楽の手法の一つである「ミュージック・コンクレート」をコンパクトなユーロラック・モジュールで実現しました。

上記ページ内紹介文より

 そう、ミュージック・コンクレートシステムです。シンセサイザーシステムなのに、所謂オシレーターも、シーケンサーもない。
 こいつの中身はざっくり言ってしまえば、ランダム電圧発生装置、色んな周期の電圧発生装置、テープレコーダー、フィルター、テープエコー、以上だ。まさに、音響実験装置。
 特定のジャンル傾向のなさげな「電子音楽」感に溢れたシステム。君に決めた、というわけだ。

ケースとの出会い

 などと書いたものの、購入順序としては本当に最初に購入するものが決まったのは、実はモジュラーケースだったりもする。ケースが全てに先行して環境が決まった。いや、もっというと、モジュラーケースを入れるバッグが一番先に決まった。

 将来的な可搬性を何より重要視しつつ調査をした結果、モジュラーシステムの運搬用ケースがあまりないっぽいことが分かった。Tiptop AudioのMantisも、Erica SynthsのTravel Caseもちょっとデカすぎるし、購入を検討してた6月頃はいずれも市場に存在してなかった。
 そんな折、上記のIntellijelのバッグをメルカリだったかヤフオクだったかで発見。これに入れるモジュラーケースである、

 こいつもCLOCK FACE MODULARさんに在庫があることを確認。7U84HPはサイズ的にもデカすぎず小さすぎず、1Uモジュールも使えるということで最初のケースとしては完璧だろう、と購入を決意。ここからモジュール探しの長い旅(及び散財)が始まったのである。
 ちなみにCLOCK FACE MODULARではケース購入時に、Make NoiseのQPASとMIMEOPHON、本家にはないInstruo/DivkidのOchdと1U系を少々購入。

追加モジュール

 さて、先述のようにとりあえずTape & Microsound Music Machineに入ってるモジュールは基本的に全部揃えることを前提にしつつ、まだ結構空きスペースがあるので色々増やしたくなるのが人間の性。
 メルカリ、ヤフオク、その他中古市場をパトロールし着々とモジュールを揃えつつ、読める限りの記事を読み、動画を視聴し、Modular Gridで気が狂うほどの試行を繰り返しつつ、本家システムに追加・変更したい要素を考えた。
 で、加えた(変えた)のが以下のモジュールである。

Make Noise Spectraphon

 Spectraphonはちょい足しの域を遥かに逸脱した、超弩級主役級オシレーターです。Five GさんでXPOを比較して死ぬほど悩んだのですが、やはり変調マシンとしての個性を大事にしたいなと。シンセサイザーだけでなく、現実世界の音も変調して遊びたいので、倍音解析して再合成するなんていうのはコンセプトにピッタリ。まだ情報も少なめな、新しいオシレーターであることもポイント高い。DPOとか、なんか今から使うの悔しいし。
 すでに0-coastもSyntrxもあるからこれ以上アナログシンセ的な音はなくてもよかろうという判断もあったりする。

Make Noise X-PAN

 X-PANは、Cornelius好きとしてパンニングをしないわけにはいかないので、本家のXOHから変更。

4ms VCA Matrix ( VCAM )

 VCAMは、INOUT多めのVCAを探している時にちょうどヤフオクで見つけたから導入。ちょいボロ感あるけど、LFOを複数混ぜて絡み合った波形を見た時にそれはもう萌えましたね。

便利箱

 そして、メインのシステムとは別に、色々あって便利箱として以下の小さめセットが誕生した。

Poly Effects Hector

 まず、Poly EffectsのHector。元々は0-CTRLだけじゃさすがに音程感のあるシーケンスが作れなすぎて寂しくなってきたので、クオンタイザーが欲しくなった。しかし、クオンタイザーにそこまで思い入れがあるわけでもないし、ケース幅取るのもったいないなあ、などと思っていた時に、こいつを見つけたわけですね。
 ギターでも全く同じOS?で動いてるBeeboというマルチエフェクターがあるわけです。モジュラーシンセ版マルチエフェクター。エフェクターだけでなくシンセモジュールがドカンと入ってる。潰しききまくりだなと思い、君に決めた、というわけです。
 本来はメインシステムに入れるつもりだったけど、タッチパネルの操作性とSpectraphon導入のこともあり、moogの60HPケースを入手しデスクトップ便利箱として使うことに。気軽にエフェクトかけたり、メインシステムに入ってないモジュールの代わりになってもらったりしてる。

Mordax DATA

 色んなYouTube動画を見ていて思うわけですね。このオシロスコープモジュールは何だろう欲しい、と。調べるとDATAというらしい、ああ国内で今は売ってないようだ。まあKORGのNTS-2買えたしいいか、と諦めかけていたところ、ヤフオクに出て来るわけですよ、落札です。

オシロスコープ、チューナーから波形生成、スペクトル表示、クロックソースまでこなす、ユーロラックモジュラー・システムのための多機能ユーティリティ

 ですって、すごいですね。現システムでクロックモジュールが少ないかも説があるので、これまたあると便利シリーズ。研究が捗りますね。捗らなくても、波形見てるだけで何なら結構癒される。

 Outsは普段のヘッドフォンアウトとして使ってる。インターフェイス系で特段話すことはないので割愛。

まとめと次回

 はい、そんなわけでモジュラーシステムの紹介でした。
 総額を考えると絶望しそうですが、まあ5年以上は何も増やさなくても余裕で戦えそうなくらいの環境にできたと満足しているので、しばらく機材投資は控えて発信習慣をつけていきたいなと思います。
 次回からは、各モジュールあるいはスタンドアロン機を更に深掘りしていきたいと思います。全出力からの波形チェックとかそういうのやりたいですね。

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