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ストリートビューでセンチメンタルな話。


親元を離れて生活をするようになって早数年が経つ。
確かあれは大学1、2回生の時、ちょっと実家が恋しくなってGoogleのストリートビューで地元をふらっと散策していた時のこと。
田舎だし果たしてどこまで見られるかなぁと思っていたが割といけるいける。実家は道の小脇をちょっと進んだところにあるため真ん前までは行けなかったがしっかりと確認することができた。

「おー、インターネットの海から眺める実家はちょっと変な感じ」そんなことを思いながら思わずスクショしたのだった。別の道からも覗けたので見てみると、そこには父親が庭に立っている姿があった。
えー、めっちゃ映ってるじゃん。顔までは確認できないが明らかに父親だ。すごいタイミングで外に出ていたんだなぁなんて思った。

それから数年後、再びストリートビューで実家付近を見てみると以前見た時には見られなかった小道を撮影したものが追加されていた。
「おー、こんなところにも来たんだな」そう思いながら道を進む。そして実家を振り返ると……またも父親の姿があった。思わず撮影日時を確認したがばっちり違う年のもの。父親は庭いじりが好きでよく外には出ているが2回もGoogleストリートビュー撮影車に撮られていたとは。

話がそれるが、初めてストリートビューを知った時、そしてそれが海外の町を見ることもできると知った時の衝撃は凄まじかった。
今はそれほどでもないが昔はヨーロッパの街並みがとても好きで、色んな場所に降り立っては「このお店は何だろう」、「この看板はお菓子屋さんかな」と思い馳せることに夢中になった。

「憧れの凱旋門やエッフェル塔にひとっ飛びできるなんて!」

あと印象的なのは南極でペンギンを見たこと。こういうのも見れちゃうんだ~と感動した。南極に訪れる機会なんて一生こないだろうから有難いものだなぁ。

こうして世界中をバーチャル旅行していると、自分がいまどこにいるのか分からないような不思議な感覚を覚えたり、自分の知っている世界はごくごく一部に過ぎないのだと実感できて何だか感傷的になってしまう。
インドア派な自分からするとコロナ渦で外出が思うようにできないことに対する苦しみはちょっとよく分からないのだが、また再び国内旅行も海外旅行も気軽に楽しめる世の中になればいいな、と月並みなことを願う。


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