【感想・考察】文豪ストレイドッグス5期最終話、61話「黄昏のさようなら」

お久しぶりですね。

放送から一ヶ月近く経っちまいましたが、文豪ストレイドッグス最新話「黄昏のさようなら」の感想を書いていきます!

原作のあるアニメで、着地点が全く分からないまま最新話を見ることは滅多にできない体験でした。

ここまで怒涛のどんでん返しが一話で来ると思っていなかったので、DEAD APPLE銀幕で見た時依頼の興奮でした。

本誌のテンポの遅さとアニメ化の速さがえらいことになっていたのも半分はこのサプライズを用意するためだったのかもしれませんね。

まず文ちゃんに関して。彼女は入社試験でが探偵社を守るために爆弾に覆い被さったように、組合戦で鏡花が横浜の人々を守るために白鯨に体当たりしたように、世界を守るために捨て身の行動で世界を救いました。

この"自己犠牲による救助行為"は文スト本編では”入社試験の合格演出"として機能してるんですよね。

太宰やらBEASTの芥川やら必ずしもこの条件に当てはまらない者もいるんですが、本編での流れを見るとこれで文ちゃんが探偵社に迎え入れられる可能性が高いのではないかな〜と

奔走する文ちゃんのパートである107.5話では扉絵に正面を向いて手を差し伸べている敦と賢治、そして国木田の後ろ姿が描かれている。

文ちゃんの探偵社としての未来、もしくは可能世界を描いているのかもしれません。

ここまで探偵社員有力株としてシグマが描かれてきたが、彼も異能を武器とはせず勇気でドストエフスキーに立ち向かった。

急に社員が増える探偵社の未来もあるかもしれない。

しかし探偵社の未来は社長・福沢諭吉に与えられた親友の呪いによってふたたび一気にぐらつく

福地さんは社長に自らの死と引き換えに人類軍の統帥というはた迷惑な代物を社長に押し付けます。

やがて来る大戦を起こさないために、世界の仕組みまで変えてしまいました。何しろ英国には「国が焼ける匂いは紅茶に合いますのに」とか言っちゃう物騒なアガサさんが控えてます。この話とんでもないスケールになってしまった

そもそもこの天人五衰事件自体が、探偵社が政界に近づいたことで斗南司法次官率いる反探偵社・反福沢勢力が動き出したことが重要なパーツとなっています。

社長が人類軍総帥を任された探偵社がまたしてもきな臭い争いに巻き込まれることは想像に難くない。

もしかしたら社長は大戦から世界を救うため、もしくは探偵社員を守るため、探偵社から一時離れる可能性があります。

そうなったとき社長代理として白羽の矢が立つのは、間違いなく国木田独歩でしょう。

共喰い編で司令塔として挫折を体験した国木田さん、今後の挽回はあるのでしょうか…


続いてムルソー編

颯爽と出てくる太宰チョー格好良かったですね!!

1話の台詞「君では私を殺せない」を、今度はドストエフスキーに向けて再び放たれるという激アツ演出。

散々フラストレーションを溜めてきた読者としてはこれ以上の台詞はないでしょう。

そして中也の空気をガラリと変える「誰がバカだ!」本当に中也の只者ではなさというか、危ない男特有の色気は文スト世界の中でも際立っていますよね。中也推しとしても嬉しい限りです。

そして、色々な方が考察していた通り中也は吸血種化してなかったんですね!自殺のプロであるあまり一時的に心音を止め(55 minutes)、

しまいには心音のリズムでモールス信号的な芸当までやってのけるくらいだから、何か裏はあるだろうと思ってましたが、今回のカラクリは痛そうでしたね…

予告でムルソーのシーンはハッとしてるゴーゴリと何か語りかけてるドスくんという構図に見えたので、またドスくんがゴーゴリの心を動かすのかなぁ…と思ってましたが、ドスが言ったのは「お前を殺す(デデン!)」でしたね。

ドスにとってはゴーゴリですら手駒でしかなかったのでしょうか…寂しい…

そのドスも今回の怒涛のどんでん返しに巻き込まれて狐につままれたようなやられ方をしたのは少し切なくなりましたね。BGMもなんか悲しいんですよ

ドスくんの遺言「エリ、エリ、レマサバクタニ…」は何となく覚えてたので終了後に調べたら、キリストの遺言だったんですね。芥川の小説で読んで記憶していました。

復活?なんでもありな異能者なので、今後の扱いは楽しみですね。

ゴーゴリが救いようなさそうですよね…。残虐な殺し方で政治家を葬っているのでまともな未来は保証されていないし、さりとて不楽本座の時みたいに無惨に殺されるのはトラウマになるのはやめてほしんですよね。

なんかもう人間失格の葉蔵のラストや断食芸人ぐらいしか残された道がなさそう

そして太宰お前は早く解毒剤打て


福地さんも良い人だったみたいに終えていますけどとんでもない呪いを与えましたよね

真の目的は予告でなんか探偵社を救うつもりなのかなと思ったけど、ちゃんと世界平和でしたね

ある意味ブレてないというか、そのための手段がドスの陰湿なものだったからか、今までの福地さんの信念が何か嘘くさく感じてたんだよねぇ…

もしかして福地さんへのヘイトが強かったのって、推しを蹂躙したってことより、裏で糸を引いてたドスの影が福地さん自身の性格と一致してなくて不気味だったから、って事ないですかね。

脳を弄られたホーソーンやゴンチャロフと違って自分の信念で行動しているようなんだけど、理屈とかプロセスは明らかにドスのもので、福地さんは目的のために心を殺して、その隙に入り込んだのがドスの容赦なさだったのではないかなぁと。

原作で読んでいる時私はずっと彼に混乱してた気がするけど、アニメだと大塚明夫さんはその部分を理解した上で意図的に演じ分けしてたんですかね?表現が見事だったからか、スッとこのキャラについて理解できた気がするんですよね。

博覧会で朝霧先生は福地さんを「悪役」と定義づけていましたが、彼は本編軸では上司として、部下であるドスの邪悪さを一手に引き受けた悪役としての運命をつけられてしまったんですね。悲しい…

それでも社長と燁子さんに泣きながら見送られて、良い最期を迎えた方…?


と思っていたら、二時間後ですよ。

急に吹っ飛ばされる敦、なんか若返ってる?福地、雨御前の暴走?

そして吸血種化が解け、たったの二時間で早着替えした芥川

これが何を意味しているのか、私は、「頁」の現実改変能力で探偵社無実の世界になった影響で何かバグが起き、あんな風になったのではないかなと思います。

「本」の可能世界であるBEASTでは登場人物の服装が現実軸と違うものになっていた。

本編での頁の改変では服装は変わりませんでしたが、強いて言えば、探偵社員がゴーゴリの部下と入れ替わった影響で、直後は彼らの服を着ていました。

二時間で急に「アクタガワー!! 新しい服よー!そーれっ!」なんてアンパンマン展開は考えづらいので、「探偵社は無実、超国家連邦が樹立され、その統帥に福沢が就任する」世界線では「芥川が甲冑風つよつよコートを着ている」という可能性が高いと思います。

書き漏らしている部分もあると思いますが、以上が私なりの考察でした。

なかなか書くタイミングと意欲が起きず中也になりきって感想を書くみたいな感じでどうにか書いたのですが、ものあしさんが文スト・文豪考察の動画化を始められて、急にやる気が出たんですよね。

その勢いで一気に書き直したという感じです。もう元の文章は影も形もありません。

いないと思いますが、前の文章を愛してくれていた皆様には申し訳ないことをしました。

五衰編から遠ざかってた文ストに、五衰編アニメ化を期に再び近づき、最終的にこんな世界を見せてくれた製作者の皆様、そして感想を発信してきたファンの皆様には感謝しかございません。

今後とも松の実(名前もどうしようかな)を、どうかよろしくお願いします。

〈了〉

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