2020年8月23日、忘れたくない日
ただの何でもない日曜日の予定だった。
だけど思わず、忘れたくない不思議な一日になった。
15時から16時まで整体に行った。
昨日までは暑くて仕方がなかったのに、ちょっと涼しくなってきて散歩日和。空がきれいで気持ちがいい夕方。
電車の中で思い立って、黒さんに「散歩に行きませんか?」と連絡を入れる。途中の駅で降りてみる。
前に行って空いてなかったモスクへ。
空いてた。礼拝堂は広い。そして綺麗。外からの光でステンドグラスが輝く。
緑色のらせん階段をのぼって、女性しか入れない二階でぼーーっと、ながめる。
それまでドキドキとしていた心がスッと落ち着く。
そのうち黒さんが来てくれた。役作りで坊主になってる。
一緒に夕涼み。ゆっくりお話する。
「散歩いくか」
と、歩き出す。
そしたら黒さんのお知り合いとばったり。
音楽の活動をされていて、来週から山梨に拠点を移すそう。
相手自転車漕いでたのに見つける黒さんすごい。立ち話をして別れる。
お話しながらまた歩く。
「ちーちゃんって知ってる?」
「知ってますよ。舞台観たことあります」
「その旦那さんの岩さんも俳優さんなんだけど、ここら辺に住んでるよー」
「え、岩さんって下の名前なんですか?」
「りょう」
「え、、先週はじめての映像の現場で相手役でした!!!!!!」
「まーじかよ(笑)家まで行ってピンポンダッシュしようぜ」
と、まさかのちーちゃんさん岩さんの家に行く。
ピンポンダッシュはさすがに、ということで、私が急に岩さんを訪ねてきたって設定にする。一度共演したとはいえ、ちゃんとプライベートで話したことがないのでビビりまくる。
「これも役者の修行だから」
と黒さんに真顔で言われ、断れない。すぐに黒さんがピンポンを押し、…隠れやがった!!
ガチャ。
「はい…(超部屋着の岩さん)」
「急にすみません。あの、先週共演させていただいた華です…」
「…あ~~~~!びっくりしたぁ。……??」
「すみません。あの、お家ここら辺だと聞いたのでちょっとご挨拶しようかなぁと思って…。いや、急に本当にすみません」
「あ、いやそんなわざわざ……、よくわかりましたね…」
黒さん「うぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
岩さん「!!??!?!?!?!」
「なんだよぉぉぉぉぉ~~~~……」
と、黒さん襲来したところでドッキリに気づく。坊主だし出てきかたが野郎すぎて怖すぎた。
そして、ちーちゃんさんも出てきて4人でおしゃべり。
最初インターホンから私が見えたとき、完全に宗教勧誘だと思ったらしい。
岩さんが「おれが帰らせるから。大丈夫」って男らしく玄関に出ていったらしい。そしてそこには私。やべぇ奴来たと思ってどう帰そうか頭ぐるぐるしたらしい。すごい迷惑かけてる、すみません。(笑)
たくさん笑った。まさかこんなところですぐに再会するなんて思わない。嬉しかった。
別れてまた歩く。
「あの二人、今なに話してると思う?」
「…どういう関係なんだろう?って、私たちのこと言ってるでしょうね」
「ぜったいそうだよ(笑)」
「けど、恋人にみられたらまずいとおもってさっきわざと距離置いてしゃべりました」
「いや、おれもちょっとよそよそしくしちゃったんだよなーーー。けど、話のつまみにするならもうちょっと逆にカップルっぽくしときゃよかった」
「たしかに(笑)」
「その方がネタになるよな」
「あーーー、もうちょっと彼女感だしとけばよかったーーーー(笑)」
今度から、もうちょっとふざけて芝居しようと思う。どっきり極めたい。
さらに歩く。
せっかくだからご飯を食べて帰ることに。
Kさんを呼んでくれて、3人でごはん。
Kさんは黒さんが前に紹介してくれYouTuber、というより詩人さん。
よくYouTubeでみるし、とても好きな人。これまた気軽に会えると思ってなかった。嬉しい。
そしてKさんは、私が中三のときの合唱祭で歌った大好きな曲「虹」を作詞した方でもある。
ある日たまたま気づいて、あまりに驚いた。
「僕らの出会いを誰かが別れとよんだ 僕らの別れを誰かが出会いとよんだ」
なんで今でも覚えてるかって、その歌詞がなかなか難しいから。単語とか意味とか。
なんでこんなこと言うんだろう?どういうことだろう?わからん。と、クラスでたくさん話しあった思い出がある。
ご飯のあいだ、その「虹」の話をした。
なんでその歌詞にたどりついたのか。制作過程にどんなことがあったのか。
あの頃「なぞだ」と思っていたことの答え合わせを、7年越しで本人から横並びで聞いている。そんなことある??そんな偶然ある???
想像すらしていなかった。
だけど、私は確かに話を聞いていた。
中三のその後にあった自分の出来事と重なるエピソードで、すごく、腑に落ちた。深い歌。
https://www.youtube.com/watch?v=l0_MtzXi5Mk
色んなこと話してたら雨がざーーーっと降ってきた。
Kさんの周りにはそんな偶然みたいな奇跡みたいな話がたくさんある。さすが詩人。
そして雨の中、自転車で渋谷にマージャンしに行った。さすが。
黒さんとも別れて、家に帰る。
「虹」を聞きながら、久しぶりに最寄駅から家まで歩いて帰った。
電車の中で思い立ってモスクに行った自分、黒さんを散歩にさそった自分、ナイスであった。
ひとりで散歩の予定が思わず色んな人に出会えた。ご縁ってこういうことだーーーと、温かい気持ちになった。
お仕事をつかみ取っていくことももちろん頑張りたいけど、私は、こういう私にしか経験できない奇跡みたいなご縁の一日をずっと大切に思っていたい。
人生の間で一日でも多く、こんな素敵な日があればいいのに。
その日を迎えるためにがんばりたい。
偶然だけど、でも、生き続けるっておもしろいなぁと思えた日だった。
わたしの人生の宝物の日が一日増えた。
忘れないぞーーーー
アイスを買います