2月

最近本屋大賞関連の本よみがち。


1.『さざなみのよる』木皿泉

初!木皿さん。
文章自体は綺麗で流れるように読めちゃうのに、結構きついことが書いてある。ハッとさせられるような、ぐっとくるような、ちゃんと嘘くさい綺麗ごとだけじゃない。 人生大事な時に劇的な音楽が何もかからないように、ドラマのようにいかないように、でも、静かな中で起こる小さな偶然だとか奇跡だとか、そういうものはあって欲しいしきっとどこかにはあると思ってて、そのどこかが本の中に詰まってることが生きることの希望だなと思った。 「だれかの死の後を生きること」がどういうことなのか、長い年月と人の関係性の中で描かれてるのが好き。


2.『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。』宮下奈都

はい。大好き宮下奈都さん。
雑誌に連載してた、「食べもの」に関するほんの2ページちょっとのエッセイがたくさん詰まってる。はーーー、本当に好き。どんぴしゃで欲しい言葉、共感できる言葉、それでいいんだなと思わせてくれる言葉、景色がたくさん。
彼女自身の意思の強さというか芯のしなやかさを感じられてうれしかった。大好きな作家の日常をのぞけるってうれしいこと。あと表紙がシンプルでかわいい。


3.『好きになったら』 ヒグチユウコ(絵本)

シンプルに、あぁ、そうだよね。って全部のページにわかるわかるってうなずける。飲み屋とかで恋とか愛とか語りだす前に難しいこと何も考えないでこの絵本を差し出せたらいいのになぁ。本棚にほしい。絵がちょっと怖い?線の書き方なのもふしぎと惹かれる。


4.『バウムクーヘン』谷川俊太郎(詩集)

このね、本のサイズのおさまりのよさ。色がいい。


5.『村に火をつけ、白痴になれ (伊藤野枝伝)』栗原康(伝記)

伝記を普段読まないもので、勧められたはいいものの読み切れるんか?と思いながらぺらッとめくってみたら面白すぎて一気読みした。まさかのだよ。二日で読了。
これはすごいわ。終始ふざけた文章。伊藤野枝さんの言動に対する栗原さんのつっこみとか、思いがいちいちはさまれるからウケる。歴史全くわからない私でもわかる文体、バカにも優しい本。だまされたと思って手に取れば分かりますよ。
「嘘だろ」ってことがたくさん起こるけど、伊藤野枝さんの潔さ、欲望むき出しのわがままな生き方から自分を見つめ直す点がたくさんある。ネット見てるとついつい自分が「共感」できる近い思想を持った人とつながりがちだけど、あまりにも真逆の生き方・考え方を覗くのも同じくらい楽しかったなと思いだした。
いろんな作家たちが語彙を失って「やばい」を連発するあとがきも面白い。現代人っぽい。
時間の暇さえあれば読みふけるっていう久々の経験ができたから栗原さんのほかの本も読んでみようと思う。これは面白い。衝撃的な本。



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