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メイリンの友達、良い子過ぎて聖人な件

※この記事はキャラクターの魅力を伝えたく結末まで触れているため作品の完全ネタバレになります。ご注意ください。


こんにちわ。以前「私ときどきレッサーパンダ」という作品についてご紹介しました。

この作品自体すごく素晴らしいんですが、特にキャラクターが魅力的でした。

今回はそのキャラクターをどうしてもお伝えしたかったので、長くなりますが最後まで読んで頂けたら嬉しく思います。

※あらすじはこちらをご覧ください

メイリンはミリアム、アビー、プリヤの4人で主に行動しています。
アビーとプリヤも可愛くて優しくてすごく良い子。
その中でも特にミリアム、彼女が本当に素敵な子でした。

奥からプリヤ、ミリアム、アビーとレッサーパンダ姿のメイリン

母親のミンにコンビニ店員のお兄さんの落書きをバラされてしまい、しかもメイリンはレッサーパンダになってしまう能力が目覚め髪の毛が赤毛になっていました。

なんとか隠すためニット帽を被り登校すると、3人は昨夜の出来事を心配します。
するといじめっ子のタイラーがメイリンの落書きを学校中に貼り付けていました。

ミリアムはすかさず「タイラー!やめな!あんた最低だよ!」とタイラーに注意します。

人に注意するって中々難しいのですが、友達の為にとしっかり言えるミリアム本当にかっこいいですよね。

そしていつもとどこか様子がおかしいメイリンをミリアムは気にかけ心配してくれます。ですが忘れ物を届けにきた母親ミンが校庭に侵入し、堂々と掲げたものは

「メイリン!忘れていったでしょ!!ナプキン!!!」

メイリンはクラス中の前で公開処刑を喰らい、
恥ずかしさのあまり感情が爆発。
するとメイリンはレッサーパンダの姿になってしまい学校から思わず逃亡。家に逃げ帰ってきてしまいます。
ミンからメイリンの様子がおかしい事で家に戻ってほしいと告げられ父親のジンが家に到着しメイリンの姿を見るとジンの口から

「もう起きたのか!?」

との声が。

もう?って、どういうこと…?

レッサーパンダに姿が変わってしまうのは一族の遺伝が関係していました

その夜にミンから先祖であるサンイーが戦の世から家族を守る為最も崇拝してたレッサーパンダに姿を変えられる能力を得ると代々一族の女性に受け継がれていた能力が遺伝して伝わっていた事実を告げられ、その能力は赤い月の夜に自身のレッサーパンダを身につける装飾品に封印する儀式を行う必要があるのだと聞かされます。

儀式は一度きり、失敗すれば二度とパンダを引き剥がせなくなり最悪の場合元の姿に戻れなくなるかもしれない。

次の赤い月の夜は1ヶ月後。
メイリンのレッサーパンダになってしまう厄介な異能力との葛藤の日々が始まります。

翌日ミリアム、アビー、プリヤの3人はメイリンを心配し家を訪ねます。

なんと大ファンの4townがメイリン達の住むトロントでライブをすることを報告しにきてくれました。

ライブの日は5月18日。
メイリンの儀式の日は5月25日。

その日はレッサーパンダのまま、私抜きで3人で行ってきてとメイリンは悲しみに暮れます。

するとミリアムがボイスパーカッションを奏で始めました。

3人は4townのNobody Like Uを歌ってメイリンを励ましました。

メイリンがレッサーパンダになってしまう事実を知った彼女達は「大好きだよ.たとえどんな姿でもメイはメイ。レッサーパンダでも、そうじゃなくても。」とレッサーパンダなってしまうメイリンを受け入れてくれました。

このミリアムの言葉は「どんな姿であれあなたを変わらず好きでいるわ。」 
という地味に名言ですよね。

友達想いのいい子達でやさしい世界です。

3人のおかげでレッサーパンダをコントロールできるようになったメイリンはライブに行きたいとミンに伝えますが当然ながらに反対されます。

他の3人も同様ライブチケットが高すぎる、30代になったら行ってもいい、不良になるから行くな、自分で買うなら行ってもいいけど?など様々な理由で反対されました。

だったら自分達でお金稼げばいいじゃん?
何だったら稼げる?

レッサーパンダで稼げばいいじゃん!!

4人はメイリンのレッサーパンダになる能力を活用しながらグッズ、チェキ撮影などでチケット代を稼ぐことにします。

行くぞ4town作戦チェキ撮影会

モフモフな毛に愛くるしい顔でレッサーパンダは大評判。
たちまち学校はレッサーパンダブームとなりました。
いい波に乗りつつ順調に目標800$を目指し活動をします。


ライブが前日に迫った頃、チケット代はあと100$足りずにいました。

するといじめっ子タイラーから、自分の誕生日会をレッサーパンダで盛り上げて欲しいと話を持ち込まれます。
メイリン達はレッサーパンダになるのは1時間だけ、料金は200$出して欲しいと条件をつけタイラーの話に乗ることにしました。

夕方、ライブの前日はミリアムの家で数学の勉強でお泊まり会と称してそのままライブに行く計画だった為、数学勉強会に行ってくるねとタイラーの誕生日会に行こうとしたその時

「ママも行くわ!!!!」

なんとミンが自分も数学勉強会に参加すると言って一緒に家を出てしまいます。

メイリンは慌ててミンを止めようとしますがミンはやる気に満ちており全く話を聞いてくれません。
メイリンはもうダメだと思ったその時予想打にしなかった事態が発生します。

メイリンのレッサーパンダを封印するため1週間も早く伯母達をつれ祖母がやってきてしまいます。

メイリンは親戚の襲来によりなかなか家を出ることができず、寝ると称して自分の部屋から外へ抜け出そうとしてると祖母が部屋を訪ねます。
メイリンに赤毛を差し出し「パンダは抑え込めてるはずよね?」と問い詰めます
儀式は絶対失敗してはならない、母親を失望させるな、トドメは
「メイリン、あなたはお母さんの世界そのものなの、自分が何をすべきかわかるわね?」

めちゃくちゃプレッシャーかけてきます。
おばあちゃんが1番難癖のようですね…

一方その頃パーティはなかなか現れないメイリンに不穏な空気を漂わせていました。パーティの参加者が痺れを切らし帰ろうとしたその時メイリンが滑り込みで到着、パーティは大成功、レッサーパンダで大盛り上がりになりました。

一方家ではホテルに泊まる親戚を見送るミン。
メイリンの様子をみに部屋に入るとベッドの下から何かを発見します。
それは学校で売っていたレッサーパンダグッズでした、レッサーパンダでお金を稼いでいたこととタイラーの誕生日会のことがバレてしまいます。

メイリンはタイラーの家で3人と共にライブのことを語り合っていました。

長かった、苦労した、やっと推しに会える!そう楽しみにしていた彼女たちにラジオから衝撃の言葉が走りました。

「25日、遂に4townがトロントにやってくる!チケットはもう買ったかな?」

いま、25日って言った…?
18日じゃないの?

18日だと思っていたライブはトロントではなくトレド開催で、アビーが見間違えてメイリンに伝えてしまっていたのです。

儀式と同じ夜…?よりによって儀式と同じ夜なんて!!

メイリンは怒りを抑えられず感情を爆発させてしまいます

そこへタイラーがやってきてレッサーパンダでもっと場を盛り上げろと言ってきましたがメイリンは感情のコントロールが効かなくなっていました。

「うるさい!今それどころじゃない!お金ももういらない!」

と、タイラーに強く当たってしまい

「そんなに金がほしいならくれてやる!それが嫌ならさっさと帰れ、やばいママが待ってる不気味な寺でな!」

メイリンはミンを侮辱され我慢できず遂にタイラーに飛びかかり爪で顔を傷付けてしまいました。

「私の家族を侮辱した!大っ嫌い!!」

「メイリン!これは一体どういうことなの!」

声の方向に顔を向けるとミンが立っており、とうとうミンに見つかってしまいました。

ミンはミリアム、アビー、プリヤに
「娘を4townのライブチケット代を稼ぐ為に利用した!」と強くあたり、ミリアムはそんな事はしてない、ただメイと一緒に4人で4townに会いたかっただけだと説明するもミンは4townなんかに会うために利用したと聞く耳を持ちません。

ミリアムは「メイもなんか言ってよ!」と釈明を求めますが、メイリンは友達の事も大事に思っているけれど、母親の信用を失いたくない。

メイリンは母親側につき、一番大切な友達を裏切ってしまいます。

車で去って行くメイリンを見つめる3人。
友情が脆くも崩れてしまい、ふとミリアムが足元に目線を落とすとあるモノを見つけました。



1週間後、ライブ会場に到着した3人。
メイリンの姿はありませんでした。

一方メイリンは実家で叔母と祖母らと共に儀式の準備をしており、バタバタと準備をしている最中父親のジンがあるものを見つけました。

それはレッサーパンダの姿で楽しそうに友達と笑い合ってる娘の姿が映ったビデオカメラでした。
ジンはビデオカメラを持ってメイリンに語りかけます。

「ママのパンダの話は聞いたことある?おばあちゃんはね、中々パパの事を認めてくれなくて、ママとおばあちゃんと大喧嘩してお寺を半分壊しかけた。それもすごくおっきなパンダでね。メイにも見せたかったな。その時のママ、すごくかっこよかった。」
と、かつてミンは父親のジンの事で祖母と衝突した過去を話し、メイリンに
「消すのは自由だけど、この一面パパは好きだよ。」
と、レッサーパンダの部分は受け入れ難い側面だけど、受け入れて共に生きることが大切なのだと語ってくれました。

ミンに呼ばれ庭に向かうと白い円がありその円を囲む形で一族が配置につき円の中にメイリンが入り鐘の音と同時に家族一同メイリンに歌を捧げます。

メイリンは唱和に耳を傾け瞑想しゾーンに入ります。

メイリンが気がつくと竹林に立っていました。
目の前には先祖、サンイーがいました。
サンイーはパンダとメイリンを分離させる境界を作ります。

メイリンは己の身体と引き剥がすため境界に足を踏み入れます。

するとレッサーパンダになれるようになってから友達と笑い合った楽しかった日々が頭の中をよぎりました。
最初はレッサーパンダという自分に抵抗があった。
でもレッサーパンダのおかげで、友達とより強い友情を深めることができ、レッサーパンダのせいで傷付けてしまった。

それでも何より、あの日々が最高に楽しかった。

レッサーパンダで苦労もしたけど沢山の素敵な思い出を作ることができた、レッサーパンダは、間違いなく自分の一部だ!

「やめて!!」

メイリンは儀式を中断させてしまいました。

何が起こったの?と動揺する家族、メイリンはレッサーパンダの姿のまま。

「このままでいい。このままでいる。私は、ライブに行く!!」

メイリンはレッサーパンダの姿で街に飛び出してしまいました。

「なぜこんなことになったの?」
「どうしてああなってしまったの?」
「あなたが育て方を間違えたせいよ!」

メイリンが儀式を拒み、叔母と祖母から責められるミン。
ジンは優しく「ミン、大丈夫だ。」となだめます。

「どうしてなの…?どうしてこんな仕打ちができるの?母親に!」

怒りの感情が爆発したと共にミンのパンダが封印されていたペンダントが砕け、ミンのレッサーパンダが解放されてしまいミンは巨大なレッサーパンダの姿になってしまいました。


ライブ会場に到着したメイリンは3人に裏切ったことを謝罪しますが、ミリアムは裏切られたことがどうしても許せず

「メイが裏切ったんだよ?悪いけど、もう手遅れ。」

と、メイリンを突き放します。
その時ミリアムのポケットから音がしました。

それはメイリンのたまごっちでした。

「これ、タイラーの家で拾ったの」

ミリアムはメイリンから裏切られて傷付けられてしまったにも関わらず、それでもメイリンのたまごっちをマメに世話して面倒を見てくれていました。

メイリン「…4town、フォーエバー?」
ミリアム「…4town、フォーエバー!」

一度は壊れてしまった友情
ですがメイリンが自分の欠点であるレッサーパンダの部分を受け入れ、ミリアム達も裏切られて突き放すも忘れないで大切に想っていてくれた。

メイリンの勇気と待っていてくれたミリアム達の寛大な心が打ち震えました。

そこへ意外な人物を発見します。

なんとメイリン達にいつもつっかかってくるあのいじめっ子のタイラーでした。
タイラーも隠れ4タウニーだったのです。

まさかの共通点に彼女達は大喜び!
タイラーを加えついに4townが目の前に登場します。

目の前には憧れの大好きな推し、尊すぎて全員号泣。
最高のライブがこれから始まる!
その時でした。

「メイメイ!どこにいるの!!」

重々しい声が会場に響き渡り突然ドームを超える巨大なレッサーパンダが現れ会場に踏み入れ次々と会場を壊していってしまいます。

レッサーパンダ化したミンがメイリンを探しにドームへ追いかけてきたのです。

そこへ、リー家の一族が会場に到着。
ミンを戻すためもう一度儀式をしなければなりません。
ジンは急いでミンを囲う巨大な円を描きます

「メイ!!ママを円から出すな!!」

メイリンは円の中に留まらせるためミンを気を引きます。
その隙に一族が歌を唱和しますがミンのレッサーパンダがあまりにも大きすぎるため封印するのに声量が足りません。
それをみたミリアムは何かいい方法はないかと考え、あることを閃きとある人物に頼る事を思い付きます。

母と娘の一世一代の大喧嘩。

こんなの本当のあなたじゃない!

違う…、私は…
音楽が好き!男の子が好き!チャラチャラした音楽も好き!もう13歳、わかってよ!!!!

「完璧な子じゃなくてごめんね!ごめんね!ママみたいになれなくて!!!」

メイリンの頭突きがミンの額に命中しミンは勢いのあまり倒れ込み円の外へ出てしまい気を失ってしまいます。

メイリンは円の中にミンを戻そうとしますが1人の力では巨大なレッサーパンダのミンを動かすことができません。

このままではミンを元の姿に戻せなくなるかもしれない。

その様子をみた祖母は覚悟を決めます。


「サン・イー、我に力を!!」


自分のレッサーパンダを封印してある腕輪を床に叩きつけ砕き割りレッサーパンダを解放します。

「娘を失いたくないの!」

そのまま突っ立ってるつもり!?と叔母達を鼓舞し、叔母達も覚悟を決めそれぞれの封印されている装飾品を砕きレッサーパンダを解放し祖母に続きます。

自分達も元の姿に戻れなくなるかもしれない。でも家族の危機を救いたい。

レッサーパンダとなった一族は力を合わせ円の中にミンを移動させながら歌を唱和しますが大きな円に力を宿すには声量が全く足りません。

赤い月がもうすぐ終わろうとしてる。
時間も残り僅か。
もう駄目だと思ったその時、ミリアムのボイスパーカッションが聞こえ始め思わぬ救世主が現れたのです。

再び竹林に戻ってきたメイリン。
レッサーパンダを自分の中から追い出し封印するか、レッサーパンダになってしまう自分を受け入れる共に生きるかの選択を迫られます。
果たして彼女はどちらを選ぶのか。



長々と長文になってしまいましたが、彼女たちはメイリンにとって本当に素敵な友達ですよね。
特にミリアムが4人の中でまとめ役のお姉さん的存在で、周りにしっかりと注意できる、友達が泣いていたら励ましてあげる。

そしてレッサーパンダになってしまってもメイリンはメイリンだと受け入れて一緒に悩んで考えてあげられる。
友達の最大のピンチを閃きで救った行動力と勇気。

そして彼女の一番素敵なところは

たとえ裏切られても、その子を信じて待っていてくれていること。

一度崩壊してしまった信頼関係を元に戻すのはどんなに仲の良い親友であれなかなか難しいもの。

メイリンのたまごっちを見つけた時も、私なら見つけて拾い上げたとしても裏切られたことが許せなくてどこかに捨てて行くと思います。
し、そもそも拾わないかも。

たまごっちを持っていた方はご存知だと思いますが、たまごっちはこまめに面倒をみないと結構すぐに死んでしまいます。
ミリアムはたまごっちをメイリンが可愛がっていたのを知っていました。

つまりミリアムはたまごっちがもう一度メイリンの手に渡ったとき死んでいて悲しまないようずっと変わりに世話をしていたということです。
いい子すぎますよね。

そしてメイリン達のチケット代を稼ぐ活動は私達の日常にもかつてあった放課後の部活、学園祭の準備に似ていて、学校で友達と何かを一緒に行う時が最高に楽しいんですよね!

そんな一瞬のキラキラした青春時代って大人になると懐かしくて尊いものです。


友達と、家族と、そして親子で。

多くの方と一緒に観賞して楽しんでほしい最高の一作です。
是非観てみてください。

最後まで読んでいただき本当にありがとうございました!

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