最低な世界のまんまじゃ許されないから

仕事終わりにスマホ見たら推しバンドの公式LINEから通知きててそれを見て泣いた。2020年上半期で、特に楽しみにしていた3大コンテンツのうち最後の希望が潰えてしまった。
私は確か、スキマスイッチの配信ライブがめちゃくちゃ良かったからそれの感想文をしたためていたところだったんだけれど、何を書こうとしていたのかすっかり吹っ飛んでしまって、オロオロしながら推しバンドが4月にやった無観客ライブのアーカイブをBGMにしてこのnoteを書いている。

推しバンド、その名を04 Limited Sazabysという。
最初の出会いは確かSHOW BY ROCKのアプリだった。へえ、新しく追加になった光属性のこの04なんちゃらってバンドめちゃくちゃいいじゃん。あ、オリジナルバンドじゃなくてタイアップバンドなのね。それからしばらくしてなんとなく彼らのバンド名を認識したあたりでようやくTSUTAYAでCD借りてみるか、なんて思い立った。そこで借りたCDはMarking all!!!とSonorとmonolithとCAVUだった。
二次元が入口だったせいもあって、バンド本体のビジュアルをしっかり確認していなかった。CDジャケットにも本人たちの写真はなかったし、わざわざバンドのホームページを見に行ったりもしなかった。昔はそんなに頻繁にライブに行くような人間でもなかったので、CDを聴くことだけが私と音楽の繋がり方だったのである。YouTubeでswimのMVを見た時に初めて彼らのビジュアルを知ったのだが、ボーカルの子は声だけじゃなく顔も可愛いのね〜とか、ショバロのタイアップバンドの方のビジュアルはだいぶ寄せてあるのねとか、そんなことを思った気がする。

ずっとライブ見てみたいな〜と思ってはいたもののなかなかそんな機会はなくて、最初に彼らのステージを見たのは確か2017年のメトロック東京。
彼らの一個前のBEGINのステージを良いロケーションの中で聴きながら、良い気持ちで風を感じていた。
ステージ横の関係者エリアみたいな所でアイス食べながらBEGINのステージ眺めてる可愛い子を横目で見て、え、あれフォーリミのボーカルじゃん……と思ったのを今でも思い出してしまう。あとはリハの時にアジカンの未来の破片を演奏していたこととか。
初めて見る彼らのステージはめちゃくちゃ凄かった(語彙力)
えー、めちゃくちゃボーカル可愛い!!!!!!
歌が、音楽が好きだから彼らの曲を聴くようになったので、顔が好きだというのは簡単に言いたくはなかったのだけれど、まあ抗えなかったんですよ。こんな可愛い顔して可愛い声でこんな歌詞で歌ってたらそりゃ人気も出るわ、と。
とか思ってたらMCでけっこう際どい下ネタを言う。こんなに可愛いのに、とギャップを感じてしまった。帰りの電車で彼らのwiki見たら普通に年上やんけ!?とさらに脳内バグ。まじかーーー!普通に20代前半くらいかと思ったが!?
ちなみにこの頃はまだバンドという物にとんと興味がなく、曲さえ知っていれば良いと思っていた。とりあえずボーカルであるGENくんの名前を覚えるのでいっぱいいっぱいで、他のメンバーは「ダミ声の人」「髪の毛赤い人」「後ろの方にいる人」という認識であった。その後ろの方にいる人が私の今の推しである。

次に彼らを見たのは2017年8月、彼らの対バンツアー。岡崎体育とyonigeとのスリーマンだった。このライブの予習で岡崎体育を知った結果、2019年6月の岡崎体育SSAワンマンライブで号泣するマンになったのだから人生何があるかわからない。
この頃の私はまだまだライブハウス素人である。荷物少なく身軽でないといけないということくらいは知っていたが作法はそんなにわからない。GENくんのことは近くで見てみたいが頭上を飛び交う人々が怖いから近くには行けなかった。大森さん大森さん、と周囲がドラムの人の名前を呼んでいたのを覚えているし、呼ばれすぎててちょっとキレていた。友達じゃねーんだぞ、みたいな感じで。この頃もまだメンバーの名前は覚えていない。人の顔と名前を覚えるのが苦手なので仕方がない、仕方がない。
2018年のメトロックでようやく他のメンバーの名前を覚えた。wikiで調べて、ドラムの人の名前がKOUHEIというのだと知る。私の実兄の名前も同じこうへいなので覚えやすかった。

それくらいから少しずつライブに行く回数が増えていった。まだこの頃は二次元のコンテンツでオタクやってることの方が多かったが、フェスで遠征してみたり、そこで出会ったSUPER BEAVERやブルエンにハマったりして、ちょっと興味あるな、ライブ行ってみようかな、と思ったらすぐにチケットを取るようになった。

2019年のSOILツアーはZepp Tokyoでの公演を1日だけ見た。
いつにも増して下ネタも多いし、ほんとうにくだらなくて面白いMCをするGENくんの様子を見て、途中からなんだか泣きそうになっていた。
というのも、その日の入場待機列で某バンドマンの訃報が入ってきたからである。ああ、今ステージに立っている彼らもきっとこのことを知っているんだと思った。知っているから、あえてこんな風に笑い飛ばしているんだろうと。
それからできる限り彼らのライブには行きたいと思って、単発の対バンライブやフェス、学園祭ライブなどにも足を運んだ。それまで彼らが主催するヨンフェスには参加したことがなかったのだけれど(単純に4月頭は忙しくなかなか休みが取れないため選択肢に入れてなかった)、YON EXPOを見終わった頃には「来年のヨンフェスは絶対に行こう」と心に強く決めたのだった。

フォーリミの魅力ってなんだろう、と思った時に、ぱっと思い浮かぶのはボーカルGENくんの歌声と、彼が書く歌詞である。曲は爽やかだったり、元気だったり、キャッチーだったりするのに、よくよく歌詞を聴いてみたらどことなく暗かったり、精神世界の話をしていたり、そのギャップがたまらない。
嘘をつかない姿勢もすきだ。SSAで行われたYON EXPOでも、別にそこはチケット完売したよと見栄を張ったって誰も怒らないのに、チケットが完売しなかったことを彼らなりに受け止めて、報告してくれた。
ファンの皆を楽しませようとする姿勢もすきだ。彼らが嫌だと思ったことを、きちんと言ってくれるところもすきだ。GENくんのくだらないMCも、手数の多いKOUHEIさんのツッコミも、ニコニコしながら楽しそうにライブしているギター二人もすきだ。
フェスでの予定調和的なモッシュダイブが好きじゃない、禁止されていたとしても抑えられないくらいの衝動から起きるサークルモッシュは好きだと言ったGENくんの言葉も、それを間違ってないと肯定してくれたKOUHEIさんの言葉も、私はすきだ。
「どうせ皆、平日考えすぎてるんでしょ」って、「考えすぎて自分自身がなんなのかわからなくなってるあなたに捧げます」って言って歌い始めるSquallだって、その前口上を何回聞いたんだよって思うのに、毎回鳥肌立ってるし泣いてしまうんだもんな。
何かのインタビューの時に、曲はライブで聴いてもらう音を前提に考えているけれど、歌詞は一人でイヤホンで聴いている人を想定して書いている、って言っていた気がする。その記事を読んだ時に、ああなるほど、とすとんと納得したのだった。フォーリミの、GENくんの書く歌詞は優しい。優しいから、私の背中を押してくれて、私の心を武装してくれる。

私は彼らがヒーローになるまでの物語をほとんど知らない。リアルタイムで追いかけていないからだ。今思えばタイミングなんていくらでもあったのに、10thライブも武道館も参加出来ないでここまできてしまった。私が知っているのはヒーローになってからの彼らの話ばかりである。
ミステリーツアーも前代未聞のツアーだったな。毎回毎回ヒントとも言えないようなヒントを頼りに対バン相手を予想して、楽しかったな。ヨンフェスのチケット取れたのもとても嬉しかった。今年はたくさんフォーリミを見に行けるんだろなって思ってたんですよ。

ミステリーツアー、新木場STUDIO COASTにてGENくんが「猫を飼って僕は人間になった」というMCをしていた。
猫は会話もできないし、お金はかかるし、それで報酬があるわけでもない。メリットと呼べるものはない。けれども、愛情を込めて世話をしていたら会話はできなくても向こうも愛情を返してくれる。メリットの無いものにどれだけ愛情を注げるかという話で、例えば音楽もそう。音楽は食べられないし所有も出来ないしなにも残らない。ただ空気を震わせてるだけ。
だけど、それを皆も見に来てるわけでしょ、無駄な物を愛してくれてるわけでしょ、そうやって無駄な物を愛せるようになった時に、僕は人間になりました、といったニュアンスのMCだった。
4月に彼らが行った無観客ライブで、GENくんがぽろりと零した「俺たちの音楽って不要なのかな」という言葉が突き刺さる。
こんな世界でも、私は彼らの音楽でメンタルを武装してなんとか立っていられる。だからどう考えたって、不要なわけが無いのだ。世間に無駄だと言われようと、音楽に愛を注げるからこそ私は人間でいられる。GENくんが猫を飼って人間になったと言うのならば、私は音楽を愛することで人間になった。

ヨンフェスが中止になったという報せは、正直かなりメンタルにきた。
晩御飯に美味しいお肉を食べたってメンタルリセットできなかった。
行きたかったな、という気持ちもとても強いし、中止という決断に至るまでのメンバーやスタッフ陣の葛藤や奮闘を考えると悲しくてやりきれない。悲しくてつらくて、どうにか感情を整理したくてこのクソ長お気持ち表明文を書いている。……え、長くない? ちょっと自分でも引いてる。こんなにクソ長感想文書いてる暇があったら自カプの原稿せぇ! とも思ったけど自分のメンタルの方が大事なのでこれは仕方がない、仕方がない。
きっとまた彼らの、そうじゃなくても好きなバンドの配信ライブで気持ちが救われたりもするのだろう。けれどもそれは諸刃の剣でもある。YouTubeじゃ、画面越しじゃ物足りないということを、私は既に知ってしまったので。あーーーーライブ行きたいなーーーー!!!!


次のライブがいつになるのかは全くわからないけれど、今はその「いつか」の未来を信じて進むしかないんだよな。
きっとその「いつか」がやって来る頃には最高な世界になっているはずだし、そうしたらきっと、きっと世界のことを愛せるんじゃないかと思う。

(ところでTerminalのMV、KOUHEIさんのビジュアルが天才すぎて愛しかないので見て欲しいですね)(最後に唐突に宣伝するわたくし)

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