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観戦同志 行こうぜ

 ライブはお家に帰るまでがライブ。つまりまだ私のHarvestツアーは終わっていないので、新幹線の中で頭を整理させたくてこのnoteを開いていたのですが、ぜんぜん書ききれなくて気がついたらライブが終わってから3日経っていました。これはひたすら長い、感想文というよりはただの怪文です。

 私が本格的に(本格的にというのは、なんか好きだな〜と思ってフェス見に行ってたとかではなく、FC入ったり、わりとガチめにライブを見に行こうとして行くようになった事を指します)フォーリミのこと好きになったのが2019年頃の事なので、その頃はSOILもリリースされていて(まあそのリリースツアーにはワンマン編で東京に1日だけ参加していたんですけど)、SEEDはレコ発ツアーは無かったし(強いて言うならYON EXPOはレコ発ライブだったかも)、その後はそのままコ□ナ禍に突入しちゃったので、フォーリミの新アルバムを引っ提げたツアーって初めて参加したようなもんなんですよね。単純にフォーリミ自体がアルバム発売までに4年かかったというのはそうなんですけど。なんにせよ、Harvestは本格的にフォーリミを好きになってから初めてリアルタイムで聴いたアルバムだったわけです。
 Harvest、めちゃくちゃ名盤じゃないですか。1曲目から14曲目まで、頭から尾っぽまで、寸分の隙もないアルバム。新しいような、懐かしいような、今までに無かったフォーリミのようで、昔からそこにいるフォーリミというか。どこをどう切り取ってもフォーリミの音楽で、「あ、こういう曲があったら場の空気変えられるのにな」とか「こういう曲が入るともっと盛り上がるよな」みたいな、ライブを構成する上で今までちょっと足りないなと思う部分を補強してくれたり、セトリを組む時の選択肢を与えてくれるような楽曲ばかりというか。あ、ボーナストラックのF.A.Lもかなり飛び道具ですが最高にユーモアに富んでて大好きですね。そんなこんなで2022年でいちばん聴いたアルバムなのはもう間違いないです。今のところ2023年もいちばん聴いてる。今これ書きながらアルバム流し始めたけど良すぎてなんか泣きそう。とんでもないアルバムを世に放ってしまいましたねフォーリミさん。
 で、そんなめちゃくちゃ最高なアルバムのリリースツアーが最高にならない訳がないんですよ。
 前半の対バン編を通して楽曲を馴染ませて、色んな土地で、土壌で育て上げて。パンパンに育ちきった楽曲たちを後半のワンマン編で大収穫。見事な手腕でした。
 対バンもすげー楽しかったな。甲府・鹿児島・熊本と3連チャンしたんですけど、まーーーー小箱であの距離で推しを見れたらそりゃ沼るよ。バグるよ。街でラーメン食べてたらメンバー全員と遭遇するんだよ? そりゃバグるでしょ。すれ違いざまにGENくんが私(オタク)に気付いてくれて「ありがと〜」って言いながら手を振ってくれるんですよ。今思い返してもやっぱバグだな。
 そんな距離感近くてバグりまくった対バン編から、冬フェスシーズンとCDJの年越しアクトという大役を経て、満を持して始まったワンマン編。いやーもう、楽しすぎましたね。羽田2日間と、横浜と、名古屋2日目に参加したんですけど、どの公演も楽しさと満足感と多幸感がエグかったです。本当は対バン編も含めてひとつひとつ自分が見たライブの感想とかMCの良かったこととか書いておこうとも思ったんだけど、めちゃくちゃ長くなりそうなので今回はツアーファイナルの名古屋2日目について重点的に書こうと思います。
 名古屋が彼らにとって大切な場所だというのは重々承知の上で、今回初めてツアーファイナルに参加したんですけども。もちろんこれまでに参加したライブどれひとつとして、「あー、こんなんなら行かなきゃ良かったな」とか「今日のライブ、手抜いてたな」とか思ったことは無いんですけど、それでもやっぱり名古屋って特別なんだなあって実感したというか。こういう時に感じた事ってちゃんと言葉にしておかないとなあって思うので、備忘録的に残しておきます。

 整理番号呼ばれて中に入ったのがだいたい18:20前後くらい。後方の段上、柵2列目くらいがぽっかり空いていたのでそこに入る。私より前の整番で入っていたフォロワー(こへ担)とそこでばったり遭遇。見たい位置取りってやっぱだいたい一緒だよね!と爆笑。ライブ始まるまで同行者(夫)とお喋りしながらぼんやり待機してたら、前述のフォロワーから「今場内SEで流れてる曲、私の好きなV系バンドの曲なんですけど!?!! なんでフォーリミで流れてるの!?」と動揺しながら話しかけられる。え? と思いながらSEに耳を傾けていたら、その後もLaputaとかDIR EN GREYとか、聖飢魔IIとか、PENICILLINとかhideとか流れるわけで。めっちゃV系縛りじゃん、なに? これはワンチャン、La Vie en Crisis(Harvestのボーナストラック、F.A.Lの楽曲を歌っているバンド)のライブを始めたりするんじゃない? そうだとしたら今日は皆フルメイクで出てくるんじゃない? いやいや流石にそれはないか〜(笑)なんて同行者と話しながら待機していたら、19時ちょうどくらいに、スタッフさんがGENくんの立ち位置に置いてあるスタンドマイクを別のスタンドマイクと交換していて、うわーマジか?! となった所で暗転。流れ始めるF.A.Lのイントロ。沸く会場。登場するLa Vie en Crisisのメンバー。一瞬にしてLa Vie en Crisisのワンマン会場と化したZepp Nagoya、もといZepp Nagoyaドーム。
 いやー、凄かったです。私は朧月影丸さんのギャになります。V系の作法詳しくないので綺麗に咲けないんですけどこれから覚えます。影丸さんとローズ石川が背中合わせで弾いてる瞬間が最高に沸きましたね。オタクはそういうの大好きな生き物なので。
 そうしてこの日のLa Vie en Crisisワンマンライブは終了、ご来場ありがとうございました、と開演前の影ナレと同じ人がアナウンスするのも本当に細かい。クロージングアクトとして地元バンド・04 Limited Sazabysが登場するという神展開。そういうユーモアに富んでいるのがフォーリミの良さですね。これは今回のV系パロディに限らず、YON EXPOのムービーとかCDJ年越しアクトの時の映像とかもそうなんですが、そういった面白可笑しいことをする時に全力投球というか、一切手を抜かない所も本当に好きです。私の斜め前にいたカップルが「えっ、今の何?」「誰?」「何これ?」みたいな困惑してるような反応してたのも面白かったですね。CD先行でチケット取ったんとちゃうんかい笑
 しかしこれは後々のMCでちょっと触れられていたけど、新幹線の遅延を考慮した上でLa Vie en Crisisのワンマンパートを長めに尺取ってたみたいですね。確かに15分くらいあった。さすがに唐突に決まったわけではなくて元々この日はラビクラからスタートするつもりだったんだとは思うけれど、遅延があったから当初の予定より長めにやってくれてたのかな。しかもその部分ちゃんとインスタライブで配信してたんですね。そういう優しさがフォーリミの凄い所だなと思います。
 そうして始まったクロージングアクト、もとい本日の大本命のフォーリミのライブ。いやー、本当に良かったです。
 この36本のライブを通して、Harvestというアルバムに収録されている楽曲たちが本当に成長しているって感じられたのがとても良かったんですよね。楽曲そのものの演奏のクオリティや魅せ方がどんどん良くなっていっているというのもそうだし、セトリの組み方というか、繋ぎの部分がブラッシュアップされていく感じとかもたまらなかった。あとは同じワンマン編でもちょうど序盤(羽田2日間)・中盤(折り返しの横浜)・終盤(最終日名古屋)で見れたのも良かったんだと思うんですが、そのおかげで、わかりやすく照明が進化しているのを感じられました。hugのピンク色の照明に青いライトが入るのも可愛かったし、Honeyは黄色が強めで曲名意識してるのかな〜とか感じられたり。Predatorとかカッコ良さ尋常じゃなかったです。名古屋の時のPredatorの照明、ライブハウスじゃなくてホールとかアリーナとかでやって欲しいくらい。フォーリミって、演者もスタッフも、チーム全体がお互いにお互いのことちゃんとリスペクトしあっててひとつのライブを作り上げてるんだな〜ってのを感じられる瞬間が頻繁にあって、そういうのがすごくグッときます。

 対バン編の時、連日ライブ漬けというか、ツアーとツアーの間にフェスに出る、みたいなかなりタイトなスケジュールで動いていたので、結構心配してたんですよね。ボーカルの喉も耳も消耗品だと思っているので、夏くらいからGENくんの声がしんどそうに聴こえることが多くて、もう少し休んでくれないかなとか思ったりして。もちろんちゃんと全力でパフォーマンスしてくれてるんですけど、やっぱりどこか喉が本調子じゃないなと思うことが多々あった。それが、CDJの年越しアクトもそうだけど、ワンマン編ではびっくりするくらい調子が良くて(少なくとも私にはそう聴こえていました)。
 でも、この日は違った。いつもなら、少なくともこのワンマン編では歌えていたような所でも上手く声が出ていなくて、それでもバチバチに、畳み掛けるようにライブは進んでいく。「パーシー北村の代わりにドラムの人が歌ったじゃん」「あれのせいで喉やられてるんだよね」ってGENくんは言ったけど、まあそれだけが理由じゃないよなぁってのは察しの悪い私でもわかる。

 あまりにも当たり前の事すぎて普段は意識からすっぽり抜けてしまいがちなのだけれど、生きているものはいずれ死ぬんですよね。でも、なんでだろう、そういう事をすぐ忘れちゃうんですよ。
 永遠なんて無いって知っているのに、大切なあの人はずっと生きているし、大好きなあのバンドはずっと変わらずに活動していると思ってしまう。

 15日に飛び込んできた彼の人の訃報はあまりにも突然過ぎて現実味が無くて、馴染みの薄い私ですらそうだったのだから、彼を、そして彼のバンドを好きな人たちにとっては、天変地異が起きているみたいな気分だったのだと思う。正直、彼の人とフォーリミの関係性を思えば、急に今日のライブはできません、延期しますとか言われたっておかしくないレベルだった。そんな中で、当たり前みたいにライブをやってくれていることが彼らの強さであり、優しさでもあると思う。辛いこと、悲しいことがあった時に心を助けてくれるのも音楽で、ライブだって私たちは知っているので。
 だから、この日のライブでGENくんの声が出ていなくたって、歌詞を間違えていたって、それはある意味仕方がないことで、それでも私たちに何かを伝えようとして歌っていてくれた事が嬉しかった。表面張力ギリギリのところで耐えながら、もがきながら、音楽を鳴らすことがGENくんの、フォーリミの皆の救いになっていれば良いと思う。
 皆さんの未来に光がさしますように、とswimを歌う時にGENくんは言ってくれる。私にとって、04 Limited Sazabysは光だし、救済なんですよ。オタクなのですぐそういう事言ってしまう。よくない癖です。一生死ぬまで一緒にいような……(激重限界クソオタク)。

 この2日間にライブがあったこと、そしてそれが彼らのホームである名古屋だったことで、フォーリミの皆が救われていたならいいなと思う。自分たちの存在を肯定してくれるファンの前でライブをすること、これもきっと本当は当たり前なんかじゃないんですよね。フォーリミが走り続けてきたから、たくさんの愛を届けてきたから、その愛を受け取りたくて、そして返したくてライブを見に行くファンもたくさん着いてきたわけで。それはひとえにフォーリミが頑張ってきた証拠でもあるなと思うわけです。ずっと変わらずに続けてくれたから。
 最近は、変わらずに続けるということがどれだけ難しいことかを実感する機会が増えました。メンバーが欠けることも、解散することも可能性としてはいくらでもあるわけで。これまで10年一緒にバンドやってるからって10年後も一緒にバンドやってるとは限らないし、メンバーが抜けるってなったときにもうそのままバンド辞めちゃおうってなるバンドもいるわけです。解散するバンド、活動休止するバンド、いろいろあっても全く同じ理由で止まるバンドってない。バンドの数だけ事情がある。
 そして変わる・変わらないはバンドの形態に限ったことじゃなくて。アーティストってつまり表現者なわけで、その表現者に「変わらずにいろ」と言うのは中々酷なことだと思うんですよね。でも同じことばかりをやっていても飽きられる。変化し続けることももちろん楽なわけが無い。結局どの道を選んだとしても、批判はセットでついてくる。私はそうやって変わり続けるバンドのこともすごくカッコイイと思うし、フォーリミみたいに、変わらないままそこに居続けるバンドも凄いなと思うわけです。
 山頂目指して走っていって、フォーリミってたくさんある山々のうちの、ひとつの山の頂まで辿り着いたバンドだと思うんですよ。わかりやすく山の名前を言うとメロコア山脈とでも言えばいいのかな(まあもうフォーリミの音楽ジャンルってメロコアって言うかフォーリミってジャンルになってるとは思うんですが)。もしくは規模感で言うとJAPAN系フェスのメインステージ山脈とかの方がわかりやすいかも。単独武道館、とか単独アリーナを埋めたバンドとかでもいい。同じ山を目指して登ってるバンドはたくさんいるし、その山頂でずっと活動してるバンドもたくさんいます。
 山頂って空気が薄いじゃないですか。ずっとその息がしづらい状態で、その高さでずっと活動してる。もう少し標高下げる選択肢だってあるし、そうした方が息はしやすいはずなのに、それでもずっと変わらずにそこで音を鳴らしていて。そういうところがめちゃくちゃカッコいいな〜と思うわけですね。また意味わからんポエムを言ってしまったという自覚はあります。
 現状維持って逃げみたいに見えるけど、険しい山の頂に立ちながら現状維持するのってめちゃくちゃ大変だよなって話です。特に山の上なんて皆が注目して見てるから、ちょっとでも手を抜いたらバレてしまう。走り続けるのも楽じゃないよなあ。それでも変わらずにいることを選ぶフォーリミ、めちゃくちゃカッコイイですね。好きだ……。
 ライブの感想を綴っていたつもりが、いつの間にかフォーリミに対する愛とポエムを綴るだけになってしまっていた、よくない。すぐ脱線してしまうのは私の悪い癖です。


 今回のツアーを通して学んだことはいくつかあります。
 まず、セトリだけを見てそのライブの良し悪しは語れないということ。あの曲をやったからこの日のライブは良かったとか、レア曲やってないから普通だったとか、セトリだけ見て判断する奴はクソだってことです。現場にいないとその日のその楽曲がライブハウスをどう揺らしたのか、その温度感も何もわからないんです。毎回やっている定番曲でも、MCひとつ、歌い方ひとつ、照明ひとつで印象はがらりと変わるので。
 それから、私はもしかしたらツアーファイナルに行くのには向いていないんじゃないか、ということ。
 始まったものはいつか終わる、というのは当たり前のことなんだけれど、正直、今回のこのHarvestツアーが終わったことに対してこんなにダメージ受けると思ってなかったんですよね。私が参加したのは36本あったライブのうち7本だけなので、もっと参加した人からすると温いと思われるのかもしれないんですけど、それでもこんなに寂しいんだなあって自分でもびっくりしています。ツアーファイナルに参加すると、本当に本当に終わっちゃったんだ〜とダイレクトに受け止めることになってしまうので、あんまり向いてないのかもしれないです。自分で「この日が最後!」と決めてしまう方が気は楽なのかもしれない。私は喋るのは苦手だけれど、文章を書くのは好きなタイプのオタクなので、自分の中で感情の整理をつけたい時とかはこうやって文章にするようにしているんですが(つまり今回の文章の目的はそれで、ただ単に自分の寂しさを紛らわせたくて書いていたわけです)、気付いたらなんかとんでもない文字数になっていてビビりました。怖……。もういっそのことHarvestツアー、一生続けてくれんか? とか思っちゃうけど、始めたものは終わらせないと次が始められない、というのはその通りなので、大人しくこれからのフォーリミに期待して、次の始まりを待とうと思います。

 Harvestツアー、楽しかったなー!!
 大好きなアルバムがもっと大好きになって、大好きなフォーリミがもっともっと大好きになった。お友達も増えたし、カッコイイ推しの姿をたくさん見れた。フォーリミの良さをたくさん知れた。楽しかったです、ほんとうに。
 いつか人は死んでしまうし、永遠に続くものなんて何一つない。残された私たちは、今を生きている。今が大好きで、今しかない。会いたい人には会える時に会っとかないと。

 フォーリミの放つ光と一筋のメロディーのこと、ずっと覚えてるし、忘れないと思う。たくさんの愛をありがとうございました、また会いましょうね。

(そしてツアー終わってすぐにこんなMV出してくるんだからほんとフォーリミって愛しかないよね、大好きです)

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