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実はこの時期が1番危険?!                 「薄暮の時間」の危険性についてのお話


1日で最も交通事故が増えると言われる夕暮れ時、
いわゆる「薄暮の時間」

日没前に西日が直接目に飛び込んでくる低い位置になったり、
日が落ちて全体的にぼんやり薄明るい時間帯、
車から、あるいはバイクや自転車からも歩行者が見えにくくなり、
また徐々に明暗が変わる事で距離や速度がわかりにくくなり、
死亡に至るような事故も多発する時間帯です。

そしてこの薄暮の時間帯の事故率は、この11月頃が最も高いんだそう。

今回は、そんな薄暮の時間の危険性と対策についてのお話です。




交通事故が最も多い時期・時間は?


警察庁の統計を見ると、交通死亡事故は1日の中で17時から19時台
最も多く発生しており、一般的に事故が多いとされる
日没の前後1時間「薄暮の時間」が多いことが分かります。

更に薄暮時間帯の月別死亡事故件数を見ると、
10月から12月にかけて最も多く発生しています。


時間帯別死亡事故件数 (平成29年~令和3年合計)

月別の死亡事故件数【薄暮時間帯】(平成29年~令和3年合計)


事故の大きな要因としては、薄暮の時間で周囲が徐々に暗くなり、
薄暗くなってきた環境に目が慣れていないため、歩行者や自転車などの
発見が遅れるなど、視認性が落ちている為とされています。

走行している車がライトを点けていなかったら、運転手にとっても歩行者にとっても、自分と相手の距離感は上手くつかめません。

また、薄暮時間帯は子供たちの登下校の時間帯にも重なります。
危険感受性が低い子供たちは、思わぬタイミングで道路に飛び出したり
周囲をあまり気にせず歩いていたりします。

視認性が落ちている時間帯に、突然飛び出してくる子供に
とっさに反応してブレーキを踏むのは、非常に困難です。

横断中死亡事故の約8割が「横断歩道以外」で発生
その内約7割に歩行者の法令違反あり

上記のようなデータも出ているそうです。

子供に限らず、薄暮時間帯で歩行者が横断歩道以外の場所を横断する事は
とても危険性があると言えます。

薄暮時間帯に限った事ではありませんが、歩行者も交通ルールを守って
横断歩道を渡るように気を付けましょう。




歩行者側の薄暮時間帯の交通事故対策

夕暮れ時における横断中の事故を防ぐため、歩行者は以下のような点に
気をつけましょう。
基本的には、交通ルールを守るのが第一です。

  • 横断歩道が近くにあるところでは、横断歩道を横断する

  • 道路を斜めに横断しない(横断距離、時間が長くなり危険)

  • 停車中の自動車等車両の直前または直後を横断しない
    (左右の見通しがきかず悪いため)

  • 歩行者横断禁止の標識等、横断が禁止されている道路を横断しない

  • 明るい服装で出かける
    (視認性が落ち、暗めの服を認識しづらいというデータがあります。
     白や明るめの色味の服や靴を身に着けると認識されやすいです。)

  • 反射材を活用する
    (靴や鞄、キーホルダーなどに反射材を付けるのも有効です。
     巻きつけるタイプの反射材もあり、手軽に使用できます。)



ドライバーができる夕暮れ時の交通事故対策


次はドライバー側の対策についてです。
車だけではなく、バイクや自転車も当てはまると思いますが、
以下のような点に気をつけましょう。

  • 早めにライトを点灯する

  • 上向きライト、いわゆるハイビームも活用する

  • 左右の歩道や路側帯へも目配りする

  • 昼間より速度を抑えて走行する

  • 路面の「ダイヤマーク」を意識する
    (路面の「ダイヤマーク」は近くに横断歩道がある事を意味します。
     "横断歩道は人がいるかも" と身構えて運転しましょう。)

◆薄暮時間は物理的に視力が低下している


薄暮時間は日没で段々暗くなり、視認性が落ちるのは分かると思いますが、
ドライバーも歩行者も物理的に視力が低下しているそうです。

昼間の視力が1.5ある人が、薄暮時になるとヘッドライトなしでは
0.6まで視力が低下し、そこでヘッドライトを点灯すると
0.9まで回復したという実験データがあるそうです。

ヘッドライトを点灯してもそもそも0.9までしか視力は回復しないので
ご自身の視力だけを信用せず、注意力も研ぎ澄ませて運転しないと
見えるはずの物を見落として大事故になりかねませんね。




この時期に増えてくるという薄暮時間帯の交通事故。

もちろんどの時間帯でも気を付けなければいけないし、
いつでも交通ルールは守らないといけませんが、
予期せぬことも多く起こるこの時間帯は特に気を付けたいですね。

寒くなってきて暗めの服が多くなりがちですが、ご自身やお子さんの身を守るためにも、明るめの服や反射板などを利用して、
交通事故に気を付けていきましょう!






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