見出し画像

やっとが重なって、またやっと。

やっと家を見つけた。

上海到着後、中国全国各地からやってくる人々で埋まる8人部屋に泊まる家なし状態が19日間続いた。上海は不動産が高い。値段が下がるのを待った。家賃が1ヶ月1760元でけりをつけた。実は、これ、前回の北京留学時家賃の約半分だったりする。これで、不安定な生活から逃れられると思いきや、毎朝浦東新区の荒々しく発展していく姿を見ることができなくなると思ったりして、少し悲しくなったりもする。

やっと個人1人の空間がある。

条件は、とあるベッドタウンの29階にあるシェアルームタイプで、3人別々の個人部屋がある。他の二人は大学卒業して、仕事してる江蘇省出身の男性1人、河南省出身の女性1人。どちらも特徴的な太り気味の中国人で、人がいい。寝れるところがあるだけで十分だと思えてしまえるようになった自分からしたら、どれだけ汚くても、誰かと何かを共有しなくてはいけなくとも、自分だけの部屋があり、それを自由に使えるって天国だったりする。

やっと上海を知り尽くせる。

自分の留学先である復旦大学へは自転車で25分、バスで35分(なんで自転車の方が早いんだ...。)、インターン先へは1度乗り換えして、2路線の満員電車に飛び込んで約1時間。これが大変っちゃ大変だけど、前回の北京の留学からすれば、行動範囲が自然と広くなって、上海のあちらこちらについていつの間にか詳しくなっちゃったりする。美味そうなもの売ってる店あったら、つい入って、気に入ったら、星マークをつけておく。一昨日は、うまい红烧牛肉拌面、今日は生煎包の店を見つけた。また行くんだからね。

やっと理想的な大学で勉強できる。

中国での留学を経験し始めてから、図書館そして学校が提供する学習場所の偉大さをこの年齢になって知った。それは、1つに、静かに勉強できるからと言うよりもむしろ、周りに専門書たっぷり積み上げて、仮眠とっては一生懸命自学自習に励んでいる現地の学生がいるからだ。そして、もう1つ。学校のどこかでせっせと勉強して、疲れて気晴らししたかったら、美味しい食堂の飯で元気になれるからだ。毎日食堂で何食べようかな、なんて考えながらそれを楽しみに勉強するなんて、日本じゃありえなかったりする。

やっと、中国語を学習できる楽しみを感じる仲間がいる。

実を言うと、過去の1年間の北京での留学は、専門性の高い授業ばかり取得した余り、それらの内容について読み書きはできるものの、話せとなるといずれにしても困難が伴った。漢字であるがゆえに、読み書きさえできれば、いくら専門性の高い授業でも、勉強さえすれば単位は取れる。日本人の長点でもあり、欠点でもあったりする。だから、様々な国の留学生と中国語を学ぶことで、中国語の会話レベルを相互学習を通して見直し、修正していける。同時に、中国語自体の面白さを見境なく感じることができたりもする。

こんなわけで、色々なやっとが積み重なって、やっと安定して生活できる環境が整った。そして、幸いなことに、70周年を迎える中華人民共和国を中国の人々とともに現地で迎えることができる。ワクワクして仕方がない。

この国慶節、本当は色々なところへ旅行に出かけたいところである。しかし、お金がない。留学生用の授業だけでなく、本科生用の専門授業も登録してしまっているから、国慶節明けの本格的な授業に備えて、大学にこもって勉強しておきたい。休憩したくなったら、上海ぶらぶらするのも良い。実を言うと、今現在住んでる区域は、昔の日本軍の名義上の元租界だったりするから、周りには埋もれた発見がたくさんある。

70周年おめでとう、新中国、中華人民共和国。そして、色々なことを教えてくれてありがとう。これからもよろしくね。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?