小さな穴から見えたもの

『小さな穴から見えたもの』

僕は全てを捨てて

窓のない部屋に

ひとり閉じ籠っている


天井には

小さな穴がひとつ空いている


僕はその穴から

空を見た

太陽も星も

時には

雨粒も飛び込んで

それが愛おしく


小さな穴のむこうに広がる世界

自由という不自由と別れて

この部屋に閉じ籠ってから

初めて本当の世界が見えた

初めて自由を感じている


この小さな穴の

むこうとこちら

不自由と自由


僕はこれまで

夕陽を朝陽だと

思っていたのかもしれない






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