都内の単線

「都電といえど複線だよね」。線路沿いの道を歩きながらそう呟いた。たった３駅の間を行き来するこの路線には、線路が一つしかないようだ。近くにはやたら大きい浄水場があり、反対側には古くからあったであろうアパートやオフィスビルが並んでいる。真ん中の１駅で降りて近くにある帝釈天をお参りした後、せっかくなのでと乗車駅と反対の終点へと歩くことにしたのだ。

途中にあったBicycle Coffeeというお店に立ち寄ってエスプレッソのソーダ割りとアイスのカフェラテを頼む。自分はあまりこういう時に冒険をしない。エスプレッソのソーダ割は意外にも美味しく、冒険するって当たっても外れても徳なんだよなと、毎度のことながら感心する。

目的地の駅の周辺に来ると急に道路が広くなり、あたりも活気付いた街並みになってくる。夏の曇り空、散歩日和である。