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硬水と軟水

本に書ききれなかったことをつづっています。

研究テーマとして水と愛玉の関係を書くために自宅でいつも使う水の事を改めて考えていたある時、台湾の農園から秘密兵器が送られてきた! 

水のppmを調べる試験機ペン。最初は何事かと思ってどきどき、サプライズの贈り物だった上に、これで日本の水の水質を調べるというミッションが課された。使いやすいが、いったい何がわかるのかがわからない。(--)ppmが測れるようだ。ppmってそもそも何?

ppm=parts per million (パーツパーミリオン)百万分率 

百万分の一ということ ppm=mg/kg=mg/ℓ

なるほど? で? (--)

ということで、そこから?!というところからの調べものが始まる。水が硬水か軟水かを調べるときにこのppmが役に立つようだ。

大阪市の水道局HPによると 水が硬水か軟水かを図る基準の硬度成分というは主に水に溶けているマグネシウムとカルシウムの量を基準とし、マグネシウムとカルシウムの含有量が多いほど「硬水」少ないと「軟水」というようだ。硬度が高いとあと口が残るような味で低すぎると淡泊でコクのない味がするとされているようだ。適度は10~100ml/Lがまろやかといわれる値で、大阪市の水の硬度は年間を通して40~50ml/Lとなっているとか。

今回の水と愛玉の関係のテーマでは水のあと口の良しあしというよりは、愛玉をDIYする(自宅で作るとき)に相性のいい水の性質とは?となり、それがppmでわかるというのだ。ppmは、その水の成分濃度がわかるということで、3種類を図ってみた。

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結果で驚いたのが、水道水よりも、ペットボトルの水の方が濃度が低かったこと。よくスーパーで売ってる2Lのペットボトルだが、水道水93に対してペットボトルの水は28だった。ミネラルウォーターというネーミングのイメージで、すべてのペットボトルが、当然水道水より高いのだと思い込んでいたのだが、ボトルドウォーターということもある、(一概にペットボトルは全てミネラルウォーターではない)結果はご覧の通り。で、テーマに戻って言うと、愛玉を作るときに相性のいい水の硬度というのは100以上なのである。それ以下は固まりにくい。

ということは、水道水をそのまま使うとあまりうまくいかないということ。そもそもゼリーにして食べるために作るとき、水道水で作ることに抵抗がある。残留塩素があることにも抵抗があるが、残留塩素があっても持続性はないらしく、冷暗所でせいぜい3日が限度のようだ。そしてppmの数値でいうと、一度沸騰させた水(湯冷まし)は127と、愛玉を作るうえでとても向いている。なぜ湯冷ましにすると水道水より数値が上がるのか?これについては本に書いたので割愛するが、家庭の蛇口によくついている浄水器は、そもそも残留塩素を取り除くことが目的で、塩素をあまり感じないで、比較的美味しい水だと思える世界に誇れる日本の水道水ですが、日本の水は軟水と言われて、ミネラル成分は低い方だ。ミネラル成分がたっぷりの水が必ずしもおいしいと感じるかはまた別らしく、日本には「おいしい水研究会」というのが厚生省で設立されていて、「おいしい水の要件」というものが提言されている。要件は7つあって、同じ時期に日本の「名水百選」というのも発表され、美味しい水のブームはここから始まっているらしい。こういうことをいろいろ調べていると、関西で住んでいる私はやはり調査の方向が琵琶湖に行きつき、大阪の浄水場についても知ることになる。「水都大阪」水の都、大阪の歴史。

以下は大阪府水道部水質管理センター 研究ノートより抜粋。淀川の水質汚染が始まった昭和30年代以降、わが国の高度経済成長や下水道整備の遅れ等もあって急速に進行、昭和30年代以降のアンモニア態窒素濃度の上昇 、1969(昭和44)年に初めて琵琶湖で発生した異臭味(か び臭)並びに昭和50年代には大きく社会問題化した水道水中のトリハロメタン(THM)。
府営水道はこのような問題に対応するため、1982(昭和57)年11月に新たな水処理技術の開発研究に着手した。以来、十数年の技術開発研究を経て、1998(平成10)年7月に府営水道はわが国で初めて処理水の全量を高度浄水処理水としで通水。府営水道には村野浄水場(給水能力1,797,000m3/日。枚方市)、庭窪浄水場(給水能力203,000m3/日 。守口市)、 三島浄水場 ・万博 公園浄水施設(給水能力330,000m3/日 。 摂 津市)の3浄水場がある。このうち村野浄水場は、わが国で最大の給水能力を有する大阪府 の基幹浄水場である。村野浄水場では1999(平成11)年8月 、浄水場としては全国第一号 の環境ISO14001の認証を取得。と、昭和から平成にかけて大規模な浄水インフラのおかげで今の私たちは不安なく蛇口をひねっておいしい水が飲めるんだなと改めて思った。1998(平成10)年に大阪の水が劇的に改善されたことをさらに広く知ってもらうために、府営水道は2006(平成18)年度より、市町村水道との連携のもと「めっちゃおいしいやん おおさかの水」 キャンペーンを展開していたとか、そうだったんだ~、いつのまに!と今となっては思う。

経済発展を重視して、地球環境を壊し、修正軌道の中で新たな価値基準をつくる人間の行為は、いつの時代も変わらない。今当たり前と思っていることは実はそういう歴史があって定義されたものだということを忘れてはいけない。

「愛玉」という不思議な種を手に入れると、身近な自分の毎日飲む水のことを思うようになった。これって、ロハス的にも大事なことだし、とても楽しい。まだまだソーシャルディスタンス、不要不急の外出自粛が続きそうだが、研究課題に没頭していきたい。

台湾固有の植物、「愛玉」についての本を作りました。クラウドファウンディングにもチャレンジしています。

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