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読書感想文: State of APIs 2022

 毎年読んでいるので今年も読みます。

去年のパスが変わってました。画像に「2022」って書いてありますが、2021年バージョンへのリンクです。

2020年版にはアクセスできなくなっている。残念ですが私の記事へどうぞ。

2019年版はこちら。PDFへの直リンクなのでご注意。

https://rapidapi.com/blog/wp-content/uploads/2020/02/rapidapi-dev-survey.pdf

回答の傾向

回答者のポジション的にはさまざまなんですが、このレポートの面白いところはエグゼクティブの回答がそこそこあるところ。去年より2%程度増えている。

How would you best describe your position?

APIクライアント側開発者、APIサーバー側開発者が入り混じっているところもポイント。

APIスタイルのトレンド

あまり大きな変化なし。
各スタイルで「Using in Production」が増えている。

気に入ったものは各レポートでのパーセンテージがわかるように書きます。なお2020年のものは2021年のレポートにマウスオーバーして得られた数値です。

REST

Using in Productionが69.3%となっており、以下のように推移している。

2022: 69.3%
2021: 59.3%
2020: 63%
2019: 62.50%

REST

Unfamiliar, Aware of but not usingが順調に減っている。

GraphQL

2019年から2020年レポートにかけては伸びましたが、それ以来ジワジワした推移を続けている。AzureやServiceNowがGraphQLを採用したので、もっと増えるかと思ってました。

2022: 18.6%
2021: 14.7%
2020: 12.3%
2019: 6.4%

GraphQL

RESTのUnfamiliarが3%程度、Aware of but not usingが5%程度下がったのに対して、GraphQLではそれぞれ2%程度しか下がっていない。

gRPC

こちらもUsing in Productionがじわじわと。

2022: 8.2%
2021: 5.4%
2020: 4.1%
2019: 3.4%

gRPC

Unfamiliarが5%減った。

AsyncAPI

このレポート見るたびにAsyncAPIとは何かが気になるんですよね。具体的にいうとKafkaを含んでいるかいないかとか、Amazon Dashボタンのように同期通信のプロトコルであるHTTPの上に乗った非同期APIが含まれているかなどを気にしています。
とはいえIoTはますます一般的になっていることを考えるとこれは当然の結果かと思います。

Using in Productionが他のスタイルと比較しても伸びました。Kafkaは含まないという前提で考えた時、IoTの活用が増えていると解釈できます。

2022: 26.5%
2021: 21.8%
2020: 18.8%
2019: 5%程度 (2020年のレポートの画像より)

AsyncAPI

Unfamiliar、Aware of but not using、Investigationの動きも2%程度。

Kafka

Using in Productionに着目した時、2020年から2021年への伸びはほとんど見られませんでしたが、今年に向けて3%伸びたのはだいぶ頑張ったな!と思います。

2022: 12.6%
2021: 9.6%
2020: 9%

Kafka

面白いのはPoCです。他のスタイルは全体的に認知度が上がったりしているものの、KafkaはPoCの実施が2%程度減ってるんですよ。来年どうなるんでしょう。

番外編

SOAPはやっぱり積極的な置き換えが見られない (Using in Productionがちょっと増えた)。

Serverless &FaaS は実装スタイルのことを言ってるのかなー。
Using in Productionが8%伸びている。

API公開先 (?) の種類

よく言われるPrivate API/Public API/Partner APIの種別と思われます。

Internal (Private API) の割合がここ3年ほど変わっていない。
Partner FacingとThird Partyが増えているのはAPIの活用そのものが増えていると言っていいのかもしれません。

Partner Facingの推移

2022: 48.9%
2021: 44.2%
2020: 34.6%

Third-Partyの推移

2022: 53.9%
2021: 49.0%
2020: 47.0%

What types of APIs do you work on?

とはいえヘルスケア業界ではInternalが大きく減る (69.6% <-- 81.9%) などが観測されているので、業界により大きく違いそう。

API公開を重要だと大規模製造業は考えていない

顕著な差があって面白かったのはAPI Economyに参加することは重要と考えるかという設問に対する製造業の回答です。

大規模な組織を比較したときはこんな感じで、Manufacturing (製造業) は100%がNO (重要ではない) なんですね。
スクショはX-Largeですが、一段下のLargeでも100%がNO。

API Economy - X-Large

でも組織のサイズで分類しないデータを見たときはYES (重要と考える) が57.1%なんです。

直接グラフを見ていただくとわかるのですが、Mediumで33.3%がYes、Small、X-Smallになると逆に100%がYESになりました。

API Economy ー All Organization Size

マネタイズをしているか

これは私も知りたかった!
From people who work at organizations that… の下にあるのは業種別に見えて、下2つは組織のAPIの活用傾向でまとめた少し視点の違うもののようです。

Are we monetizing APIs?

感想

数年前のようにAPIがバズワードだった時から比較して成熟した感がありますね!

今後も大きな動きは見られないかもしれませんが、また来年公開されたものを読んでおきたいと思います。

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