小説「夢をかなえるアプリ」
コンビニバイトの佐倉輝綱は、同じコンビニで働く女子大生の名津原結衣が気になっていた。だが輝綱は、大学を出て就職した先がパワハラモラハラセクハラ山盛りのブラック企業で、逃げるように辞めてしまっていたところだ。現在はコンビニバイトで食いつなぎながら就職先を探す日々である。そのことが彼に自信を失わせ、結衣に声をかけることができないでいた。バイトをはじめて数ヶ月になるが、挨拶と仕事以外の会話をしたことがなかった。
ある夜、いつものように求人情報をスマホでチェックしていると、珍し