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いのちは巡る

高齢者の利用者さんとデイサービスで過ごしていると、ふと自分のじいちゃん、ばあちゃんのことを思い出す瞬間があります。

利用者さんと頬をスリスリしそうなぐらい接近して大笑いしたり、手をつないでトイレに行ったり、車椅子を押しながら「今日もいい天気ですねぇ」なんて話しかけたりしている、そんなとき。

私は、大人になって仕事や結婚、育児やらで忙しく過ごしていたので、晩年のじいちゃん、ばあちゃんとずっと疎遠でした。子供が小さかったのでお葬式にも出ていません。そしてもう何年も、そのことを不義理だと思わず生きてきました。

けれど最近、介護の仕事に携わってから、

私は自分のじいちゃん、ばあちゃんの車椅子を一度も押してあげたことないのに、縁もゆかりもない方の車椅子を今、押している。。

なんか不思議。血縁があっても疎遠な関係と、無縁なのに濃密な関係って。

じいちゃん、ばあちゃん、施設でどんな暮らししてたんだろう。。ふたりが世話になったであろう介護施設の職員さんに思いを馳せたとき、その姿が今の自分と重なり、今、自分が関わっている利用者さんと、じいちゃん、ばあちゃんが重なり...大切な忘れ物を取りに行くみたいに、自分のルーツを手元へ引き寄せた感覚になりました。

同時に気付けたのは、

おおきないのちの輪のなかで、誰かが誰かの役に立っている。

ってこと。

その時に気付けなくて、何年もタイムラグがあったけど、今、巡り巡って、じいちゃん、ばあちゃんのことを、今さらながら想っています。不義理な孫でごめんね。そしてありがとう。感謝します。これからもずっと。






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